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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第11話  冬柳Side 1

自分で言うのも何だとは思う。

でもはっきり言って私は自分が美人だと思うしそれを自覚している。

生まれ持った美貌は嘘をつかない。

物心着いた頃から私の周りは私を持ち上げる事が当たり前だったから自分が美人である事に疑問なんて持たなかった。


親やその親戚が私の事をかわいい、綺麗な子と褒めそやした。

早い段階だと幼稚園や小学校の頃あたりで親の過保護とか贔屓っていう楽園から現実に叩き落とされるんだろうけど私は忖度無しに本当に可愛いかった。  


だから幼稚園も小学校の頃も周りからチヤホヤされ続けて贔屓と言う名の楽園から追い出される事も無かった。


ナンパや告白も沢山された。

もう何回されたかわからない。

私にとってナンパや告白はされて当たり前のモノ、特別感なんてない。

でも告白を断るのは怖い。

それで癇癪を起こされたり怒鳴られたり、最悪犯されたりするかも知れない。

それが怖くて仕方無い。


それに怖い事はそれだけじゃない。

私と違い、外見に恵まれなかった女の出来損ない達。 


彼奴等あいつらは私を僻む(ひがむ)

彼氏を取られた。

好きな人を横取りされた。  

私が先に好きだったのに!

クソ女!

男泥棒!


最初は泣いた、私は何もしてないのに!

私は何も悪くないのに!!  

どうして私を責めるんだ!

お前達が勝手に絡んで来て、勝手に怒ってるだけのくせに!

でもいつからか馬鹿らしいと思う様になった。


何故、私がこんな奴等のせいで苦しまなければならないの!?

身勝手で自分勝手に吠えるこんな奴等を気にする必要なんて無い!


私は私の思う通りに生きて行けばいい。  

好き勝手にすれば良いって、そう開き直ってからは上手く行く様になった。

むしろ周りが私に合わせる様になった。

なんだ、これで良かったんだ! 


それからはもっと上手くいくように思考を凝らした。 

特別趣味と言える物が無い私は周りを掌握して男を手の平の上で転がす事が楽しみな…唯一の趣味になり得た。


男は皆、私に鼻の下を伸ばして言いなりになるし、女は皆私に僻んで嫉妬してるクセにそれを隠して媚びて来る。


全部思い通りで私の言いなり。


清楚でお淑やかで真面目で…そんな模範的な女の子を演じている。

その方がウケが良いし騙しやすいから。 

それに清楚で真面目な人間は責めづらい。

女達も私に攻撃し辛くなる。


黒髪で制服はしっかり着て…それだけで真面目で誠実な女の子って役を演じきれる。

皆そんな私を疑いもしない。


でも、心の何処かで私は怖がっていた。

もし、失敗したら…もし、私の本性がバレたら…。

それを考えるととても怖い。


また前みたいにクラスメイトの皆が寄って集って私を攻撃して来たらって…それが怖かった。


そんな時だ、私はある人に出会った。

それが真島拓真君だった。


彼は一見すれば何処にでもいる普通の男の子。

なんの変哲もない、それこそ面白みも無いつまらなそうな凡庸な人間。


でも彼には唯一他の有り触れた男子と違う所があった。


彼は私に媚びない。

彼は私になびかないし、私のグループにも入って来ない。

私に興味がないのだ。


そんな事は初めてだった…。

私に興味が無い男の子なんて存在しないと思ってたのに…彼はそんな風に存在しないと思っていた男の子そのものだった。


確かに他にも私のグループに入らない男子はいる。

でもその人達は入って来ないんじゃない。

入れないんだ。


私に興味が無い風を装っている男子は大勢いる。

でもそれは風を装ってるだけ、私が少し話しかければ目の色をかえて、鼻息荒く、話しかけてくる。

つまらないものだ。


クラスカーストって概念がある。

学校は小さな社会の縮図で社会を模した縦社会が生まれる。

身分、立場、地位、そう言った物が裕福な人間は上に立ち、持たざる者を見下ろす。

学校でもそれは存在する。

自らの美貌と影響力を駆使して築いた私のグループはクラスカーストのトップの位置にある。

そこは例外なくクラスメイト全員が参加したいと思う安全圏だ。 

そこに属さないのは入りたくても入れない弱い人達だけ。


強い力を持った者達は弱い者を決して受け入れない。

だからこそ強い者としての立場を手に入れるために私のグループに入りたがる。

ニュアンスは人それぞれだと思うけどそんなには間違って無い解釈だと思っている。  


タクちゃんはそのクラスカーストに興味を示さない。 

私がグループに入れようとしてもやんわりと断られるのだ。

最初は陽キャ達に囲まれるのが嫌なんだと解釈してたけどそれだけじゃ無いと最近気付いた。

タクちゃんはカーストに興味がないのだ。

タクちゃんは私の影響力に興味を示さない。

タクちゃんは私の美貌に興味を示さない。



最初彼を見た時何なんだコイツと激しい憤りを感じた程だ。

私が…これまで築いて来た常識がまるで通用しなかった。

彼は自分の世界だけで生きている、そんな人間に思えたんだ。


次第に私はタクちゃんに興味を持つ様になっていった。

自然と彼を観察する頻度が増えた事に驚いたのは他ならぬ私自身だ。

ついには私は我慢出来なくなって彼に告白して見たくなった。    

意外にも告白してみたら簡単に彼氏になってくれた。 

彼も男の子だ、私に興味がなくとて私の…女の子の身体には興味があったみたい。

時折彼から胸や太もも辺りに視線を感じるし間違いない。

少し安心した。

それすらも興味を示さなかったらどうしょうと思ったくらいだし。


そして私は彼と付き合って行く上で3つの条件をだした。


①彼氏、佐渡健吾君を表向きな本命彼氏とした偽装彼氏を作る事を認める事。


②学校では私と付き合っている事を秘密にし、不必要に絡む事を禁ずる事


③付き合ったら1週間の内4回は互いに何方かの家でお家デートをする事。


①と②は同じ目的だ。

私にはクラスカーストのトップって言う役目がある、それが揺らぐと清楚で可憐で真面目な美少女、冬柳雫と言うキャラクターが瓦解する。

そうなっちゃったらまた昔に逆戻りだ。

そんなの駄目だ。

皆に慕われる理想の美少女はそれに釣り合う男の子を彼氏にするべきだ、ぱっとしないビジュアルのタクちゃんでは役不足も良い所だ。

だから私は佐渡君を彼氏役に選んだ。

都合の良い事に彼は私に一途だったし、数回告白を断っても食らいついて来たくらいだし大丈夫だろうと彼にした。


③は単純にタクちゃんに甘えたかったからだ。

付き合って見て分かったのは彼は思った以上の良物件だった…。

過度に私に色々と求めてこなかった。

童貞ならではの弱気、奥手な所もあったのかもしれないけど普通なら直ぐに肉体関係にもつれ込みそうな物を彼は一切手を自分からは出して来なかった。

ただ胸やお尻に視線は感じるし、女の子として意識はされていると感じるので興味が無いわけではない。

その絶妙なバランスが私に安心感と高揚感と女としての充足感をもたらしてくれた。


あと、彼はとても聞き上手だし私を甘やかしてくれるし、私の欲しい言葉をくれる。

私を優しさで包みこんでくれるのだ。


彼と立場を天秤にかける事になってらきっと私は彼を取るだろう。

立場なんかよりも優先するべき物があるならそれに迷って後悔なんてしたくない。

 

私はやっと巡り会えたんだ、私が理想とする彼氏に。






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