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キャラ紹介・設定・番外編 等  作者: 安井優
本編裏話・伏線解説(ネタバレ含む)
79/88

最終章 それから編 裏話

毒にも薬にもならない、お話の裏話や伏線解説です。

それから編の第二百二十五話「旅立ち」~最終話「調香師は時を売る」までをここでは少し裏話を踏まえつつ、お話します。


※ネタバレを含みます。

ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。

*第二百二十五話 旅立ち

 マリアが旅に出るお話です。


 それから編は、もともとは後日譚や番外編的な位置づけだったので、実はこのお話と、最終話の二話でおしまいにする予定でした。(苦笑)

 旅の話に一切触れないというのもな、という気持ちと、寂しさがあって(主に後半)、ちまちまと書き上げた結果、このような形になっております。


 旅のはじめは、やっぱりケイから。(そしてその後は、ミュシャへ、と登場した順番をイメージしておりました。実際には、そうでもなかったですが)

 お別れは笑顔で、という習わしは、クリスティ編でも出てくる表現で、お話全体のつながりを感じていただけたら嬉しいです。


 そして、最後の「また会おう」が、最初ケイと出会った頃は伝わっていたか分からなかったものが、ここではきちんと届いているので、そんな二人の変化もお楽しみください。



*第二百二十六話 ボート・ビジュー

 ミュシャのお店が開店する回。


 ミュシャのお店「ボート・ビジュー」は、フランス語で宝箱を意味する「Boîte à bijoux」から。

 ここでお店の名前をタイトルにしたのは、ミュシャもマリアとは深い関係のある人物なので、最終話直前、第二百三十一話「パルフ・メリエ」と並ぶタイトルにしよう、と思ったのがきっかけです。

 女の子なら誰しもがうっとりしてしまう、お洋服にカバン、帽子、靴、そしてマリアの香りと……素敵なものをたくさん詰めたまさに「宝箱」のようなお店をイメージしました。


 ラストで、リンネが花束を持って登場しますが、それぞれ実は意味があります。

 ミモザは「思いやり」「秘密の恋」、チューリップは「愛の告白」、ポピーは「恋の予感」、スイートピーは「門出」です。

 ミュシャのお祝いもそうですが、リンネのミュシャへの気持ちが駄々洩れな花束になっております。(笑)

 ミュシャとリンネの今後についてはあえて言及しませんので……皆様、ご自由にご想像してお楽しみください!(笑)



*第二百二十七話 マリアの春旅

 マリアの、王国をめぐる春の旅のお話。


 ガーデン・パレス編で登場した「チェリーブロッサム(桜)」が登場したり、東都でクリスティの妹と過ごしたり、ミュシャのお店に戻ったり、と場所をたくさん移動しておりますが、実際にはこの一話で二か月くらい時間が流れております。


 旅のお話は、春夏秋冬で四話構成になっておりますが、当初は一話でまとめてしまう予定でした。

 色々と考えた末に(追加で百話、旅のお話をもっときっちり書くことも検討しましたが)、こういう形に落ち着きまして、個人的には今はもうこれ以外はなかったかな、という感じです。



*第二百二十八話 マリアの夏旅

 マリアの、王国をめぐる夏の旅のお話。


 南の、海の方の町を回っておりますが、シュトローマーと出会ったり、港町でケイと夏休みを過ごしたりしています。

 前半は、シュトローマーが登場し、祖母リラのお話にもまた少し触れて、しっとりとした感じに。後半は、ケイとの華やかな夏の雰囲気になりました。


 ディアーナとエトワールが登場し、ディアーナがスパイシーな香りを喜んでいますが、こちらは王城編のころから変わっていません。


 個人的なお話で申し訳ありませんが、良ければお付き合いください。

 実は、雨さんがある日イラストを送ってきてくださいまして、それがもとになり、このお話が生まれました。

 このお話のラスト、マリアとケイのダンスは、雨さんに感謝の気持ちを込めて、お届けさせていただきました。

 雨さん、本当にありがとうございました!



*第二百二十九話 マリアの秋旅

 マリアの、王国をめぐる秋の旅のお話。


 秋は、港町から北上して、城下町のあたりで過ごしております。街の広場だったり、城下町だったり、というマリアにとってはホームグラウンド的な場所ですね。

 パーキンに、アイラとハラルド、リンネとシュトローマー、グィファン、ディアーナ、エトワール、シャルルと……とにかくたくさんの人が出てきた回でもあります。

 キンモクセイのお花も無事にこの回で見ることが出来ました。


 久しぶりに、少し調香の描写も出てきましたが、世界一素敵な香り、ということで、実際にシャネルの「No.5」やジャンパトゥの「JOY」「1000(ミル)」といった世界で愛されている香りを参考にさせていただきました。

 とにかくたくさんの精油を使った豪華仕様の香りですが、たくさんの香りを調香するにはかなりの技術が必要になるので、マリアの成長をここでも表現してみました。


 シャルルがラストに「先見の明がある」というのは、カントスを見つけた自らの才能をジョークのように言っています。

「世界中の人を幸せにする」は、最終話への伏線(マリアが死後、レシピを公開する)になっていますが、実際のシャネル「No.5」などを参考にした香りなので、そういう意味では、ちょっとメタ発言的なところがありますね。(笑)



*第二百三十話 マリアの冬旅

 マリアの、王国をめぐる冬の旅のお話。

 旅のお話の最後ですね。


 城下町からさらに北上して、貴族街でアーサーとソティに、そして、北の町でメックとトーレス、カントスに出会います。

 トーレスは完全に、シャルルの策略です。シャルルのおうちにマリアは立ち寄っているので、その時にこっそりと旅程を聞くくらいのことは、シャルルにはお手のものですね。

 ちょっとだけ、マリアの金勘定がマシになった描写がこちらで登場します。(笑)


 この回では、カントスにも変化が見られます。教会に住んでいたのが、お家を持つようになっています。マリアの出会いが、マリア以外の人々にも変化を与えています。



*第二百三十一話 パルフ・メリエ

 パルフ・メリエが再開するお話です。


 今まで出てきたキャラクターがほとんど登場する回になっておりますが、最後なので、この回を通じて、皆様にお話を振り返っていただけておりましたら幸いです。


 ちなみに、ここで登場するケイの花束にももちろん意味がありますよ!

 バラは「あなたを愛します」、カーネーションは「無垢で深い愛」、ガーベラは「希望」と「崇高な愛」です。

 マリアに対する思いがあふれている花束になっています。


 ミュシャとリンネが一緒にパルフ・メリエへきていますが、この辺はもう! ご自由にご想像ください!(笑)


 最後に新しいお客様がやってきますが、このお客様はもちろん、読んでくださった皆様です! と個人的には思っております。



*最終話 調香師は時を売る

 最終回であり、マリアのその後を書いたお話です。


 ここで、クリスティ編のラストの伏線回収がされていて、この後、調香師マリアのお話が、『調香師は時を売る』の物語となることが描かれております。

 ちょっと恰好をつけすぎたかな、と読み返すと思うのですが、実は、これを書いていた時には次の新作の構想が出来ており、その新作となんとなくリンクさせたかったので、こういう形になりました。

 新作を読んでから、このお話を読み返すと、「もしかして!?」が楽しめるかもしれません!(笑)


 ありがたいことに、マリアの子供のお話が読みたい、というお声をいただき、番外編を書かせていただきました。本当にありがとうございます!

 ぜひ、番外編もお楽しみください♪



 最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

 長かった裏話、そして調香師のお話もこれで完全におしまいです。

 みなさまの毎日を、少しでも彩るお手伝いが出来ていたならとっても嬉しいです。


 お手に取ってくださった皆様、本当に、ほんとうに、ありがとうございました!


これにて、「調香師は時を売る」の裏話はすべておしまいとなります!

最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました*

少しで皆様に楽しんでいただけておりましたら、嬉しいです。


お話というものは、終わっても、読んでくださる皆様がいる限りは、どこかで続いていくものかな、と思ったりしております。

何かの拍子で、ふいに感じる懐かしい香りで、このお話のことを思い返してくださる方がいれば幸いです。


最後までのお付き合い、本当にありがとうございました♪

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