第十二章 開花祭編 裏話3
毒にも薬にもならない、お話の裏話や伏線解説です。
開花祭編の第二百十二話「運命を開く人」~第二百十七話「レター・フロム」までをここでは少し裏話を踏まえつつ、お話します。
※ネタバレを含みます。
ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。
*第二百十二話 運命を開く人
マリアのもとに、シャルルがプレゼントを届けてくれるお話。
ここで登場するお菓子、サントノーレは、フランスでは特別な日に食べるとされるものです。シャルルは、マリアの旅立ちをお祝いするために、こうしてプレゼントしてくれました。
ブルーのリボンがかかっているのは、王妃様が一枚嚙んでいるからですが……こちらは、番外編を書きましたのでぜひ、本編と合わせてお楽しみください!
マリアがあまり信じていない(?)「運命」という言葉をここで、シャルルが使っていますが、ディアーナの「素敵な偶然を運命と呼ぶ」という王城編でのセリフをここで回収させていただきました。
マリアが、シャルルを「運命を開く人だ」と評価するのですが、この言葉がこれから先ずっとシャルルの支えになっていくのだろうな、と個人的には思っています。
*第二百十三話 プレゼント選び
ケイがマリアに開花祭で渡すプレゼントを選ぶお話です。
一応、時間軸としては、第二百十二話「運命を開く人」と同日、同時刻での出来事となります。(特に合わせた意味はないですが……この後の、日程の都合上、という感じですね)
ここで、ビオラのバレッタを購入するのですが、こちらは伏線というか、ちゃんと意味がありました。(笑)
ビオラは、第二百二十三話「誠実な愛」のタイトルにて、その意味を回収しております。
バレッタの方は、実はアイラとハラルドのデート中に出てくる「かんざし」とつながりがあります。
どちらも後ほど、対象の回で解説させていただきます! お楽しみに。(笑)
*第二百十四話 ナッツオイルと商売人
マリアのもとに、ナッツオイルを届けにメックがやってくる回。
メックは、最後だからと登場していただきましたが、個人的にはマリアの商売について、少しお助けしてくれたりなんかもしていて、ここでの登場は結構重要な意味がありました。
番外編でそちらは補足的に書いておりますので、よろしければぜひ、そちらもお楽しみください♪
最後に、メックからもミュシャに似たようなことでくぎを刺されておりますが、商売をしている人ならだれでも、マリアにはそう言いたくなってしまうかもな、という感じですね。(苦笑)
一応、旅のところでは、マリアも(少し)お金に頓着しておりますし、旅から戻った後は人を雇ったと描写しましたので……ある意味、こうしてお灸をすえられて、マリア自身も反省はしております。
*第二百十五話 開花祭準備
マリアが開花祭に向けた準備をすすめる回です。
ようやくアイラの作った香り(マッサージオイル)が完成しました。正直、こんなにかかるとは思っていませんでした。(苦笑)
そして、ケイへプレゼントする香りも、香水瓶が決まってようやくここで完成ですね。
ジャーマンカモミールの精油は、綺麗な青色なので、せっかくならその青が引き立つような瓶にしよう、と色々と私も瓶を考えた記憶があります。
ガラス製品は、かなり古くから装飾が凝っているものや精巧な作りのものが多くて、調べていくうちに夢中になってしまうのですが(苦笑)、ご興味ありましたらぜひ、ヴェネチアングラスなど、調べてみてください。
*第二百十六話 ハラルドの調香
ハラルドが、アイラへの香りを調香するお話。
ここでは、スノードロップ、ホワイトリリー、ムスクの三つの香りが登場します。
スノードロップの花言葉「希望」とホワイトリリー(白百合)の花言葉「純潔」が、アイラを表しております。
香りも、アイラのイメージにぴったりな凛としていて、女性らしい香りです。華やか、というよりは洗練された、清潔感のある香りですね。
こういった、白いお花を集めた香りは、ホワイトブーケなどと呼ばれることもあったりして、意外と洗剤やシャンプーなど、身近なところにもあったりします。(スノードロップはあまり多くはないですが、ジャスミンが入っていたりすることが多いですかね?)
ぜひぜひ、身の回りで探してみてください♪
*第二百十七話 レター・フロム
マリアとケイがデートの約束のお手紙を交わすお話です。
ケイの手紙は、公私問わず、一文のものばかりですが……ケイの不器用さをこういうところから感じ取っていただけておりましたら幸いです。(笑)
長い時間をかけて、短いお手紙をやり取りするなんて、今では本当に考えられない! という感じですが、それが一層この二人のもだもだ感につながっているので、二人の緊張感、いじらしい恋路をあたたかく見守ってくださいますと、大変うれしく思います!
タイトルは色々考えた末に、結局安直なところに落ち着きました。(笑)
タイトルのセンスが欲しい、と思うばかりです。
開花祭編で唯一、明確に区切りがあるとすれば、ここだな、と思い……少し短いですが、ここで開花祭編の第三部とさせていただきました。(実際は、ここまでとここから先の二部構成のイメージですが、文字数の都合上、間に一つ区切りを入れさせていただきました)
この先はいよいよ、開花祭当日のお話。ぜひ、お楽しみに!




