表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャラ紹介・設定・番外編 等  作者: 安井優
本編裏話・伏線解説(ネタバレ含む)
75/88

第十二章 開花祭編 裏話1

毒にも薬にもならない、お話の裏話や伏線解説です。

開花祭編の第百九十四話「ケイとトーレス」~第二百三話「幸せの香り」までをここでは少し裏話を踏まえつつ、お話します。


※ネタバレを含みます。

ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。

*第百九十四話 ケイとトーレス

 ケイとトーレスが一緒に昼食をとる回です。


 開花祭編の始まりは、ケイのマリアに対する悩み(?)から始まっておりますね。色々と悩んだのですが、ミュシャの独立編からのつながりもあり、こういう形で幕を開けることとなりました。


 トーレスは、ケイの気持ちにはとっくに気づいていて、とにかくケイをからかうのが楽しくてしょうがない、という感じですね。それが、マリアが旅に出るという話を聞いて、いつの間にか真剣になっている、というトーレスの変化がお話の前半と後半で見られます。


 実はここで、開花祭の説明をもう一度しようと思っていたのですが……文字数の関係で全カットとなりました。(苦笑)



*第百九十五話 ケイとシャルル

 ケイとシャルルが食事に行くお話。

 前回のトーレスに引き続き、ケイが前に進むためのお話になっています。


 前半では、まだケイはシャルルがマリアに告白して振られたことを知りません。一緒に夜ご飯を食べて初めて知ることになります。

 ケイはとにかく愚直で真面目な男なので、シャルルもそんなケイに対して、自分とマリアの関係を言わないのはフェアじゃない、と思っています。


 この二人は、騎士団の中でもとりわけセットでよく登場させていましたが、こうして二人のシーンをまるまる一話書いたのはここが初めてでした。



*第百九十六話 守りたいもの

 ケイが、マリアへ思いを告げることを決意する回。


 ケイは恋愛沙汰には疎く、むしろ苦手意識があるので、マリアの気持ちを考えた時に、自分の告白が負担になってしまわないだろうか、と悩んでいます。尊敬するシャルルから「思いを伝えれば」と言ってほしいという気持ちは、そんなケイの苦悩が現れています。


 この回では、どうしてシャルルがマリアへの告白を急ぐつもりじゃなかったのか、という思い出の香り編のラストの伏線回収がされています。

 騎士団長は、ある意味国民の生殺与奪を握っている立場ですし、常に責任が付きまといます。そんなわけで、シャルルは「マリアを自分が愛すること」について、相当な覚悟が必要だったと思います。


 ケイはそれを受けて、「マリアを守る」決意をしておりますね。

 それと同時に、シャルルに対しても少しだけ、ケイの中で見方が変わっています。

 ここが、最終話のケイが副騎士団長になる伏線的な感じです。



*第百九十七話 ディアーナとの約束

 マリアがディアーナへ旅に出ることを報告する回。


 ここまで、実はマリアが旅に出ることについてはほとんど触れてこなかったのですが、それから編へのつなぎを早い段階で入れておきたかったので(開花祭編のメインは恋愛なので)ここでこのお話を書かせていただきました。

 また、ここでは特に、それから編の秋旅につながるお話になっています。


 ここで登場したブローチは、「赤」のルビー。王家の色が「青」なのに対し、ディアーナは「赤」を使っていますが、現在の王妃様と国王を象徴するのが「青」なので、あえてディアーナは「赤」のブローチを渡しています。

 ディアーナの個人的なマリアへの贈り物、という感じです。


 ブローチは渡すだけ渡して、その後、使うシーンは一切出てきていないのですが、使わないに越したことはないので書いていません。(苦笑)

 裏話としては、元々旅のラストでマリアがかなり危険な目に合うところをケイが助けに登場する、というときにそのブローチを使う予定でした。色々考えた末に、そのお話をまるまる削ってしまったので、渡すだけ渡して、という感じになりました。



*第百九十八話 ハラルド

 アイラの彼氏、ハラルドの登場回です。


 開花祭編を書くにあたり、マリアとケイの話とは別でもう一組書くことはプロットの段階で決めていたのですが(開花祭ってこういうお祭りですよ、というのをなんとなく感じ取っていただくためです)、誰にするかは決めていませんでした。

 色々と考えた末、アイラを幸せにしてあげたいな、と思い、お見合い相手のハラルドを登場させることになった次第です。


 ハラルドは、マリアが男の子だったら、というイメージで書いた青年です。好きなことに一生懸命で、気取らない、自然体な人ですね。

 どこかオドオドしていて、落ち着いたアイラとはやや対照的なタイプですが、驚くほど似ている部分もありますね。


 開花祭編を彩ってくれるメインキャラクターの一人であり、最後の登場人物として、お話をほのぼのさせてくれた人だな、と思っております。



*第百九十九話 ハラルドの依頼

 ハラルドからの調香依頼を受けるお話。


 調香をアイラに内緒にしておいてください! というのは、この後、第二百話「相思相愛な二人」の伏線になってますね。(笑)

 そして、ハラルドが調香をする、というのは王城編でディアーナと調香をしたレッスンがもとになっています。


 ここで登場するスノードロップは、収穫祭前にマリアが秋になったら植えたいお花、として一度登場したものです。こんなところで、ようやく伏線回収されています。(実際のお花の開花時期に合わせたので、ここで登場しています)



*第二百話 相思相愛な二人

 アイラがマリアに調香依頼をする回です。


 前回の第百九十九話「ハラルドの依頼」からの、まさかの展開、ですね。(笑)

 しかも、二人とも開花祭で結婚を申し込みたい、という同じ思いを抱いていて、タイトルがいわずもがな、そんな二人を象徴しています。

 ハラルドが調香に対して後ろ向きで、アイラが前向きなので、ここは対比になってますね。

 この二人の関係性を感じていただくため、こういうお話になりました。



*第二百一話 マリアのお願い

 マリアが、バザーへミュシャを誘うお話。


 実は、マリアがミュシャにお願い事をするのは全編を通してほとんどありません。仲が良く、お互いあまり遠慮はないのですが、改まってのお願い、というのは珍しいですね。

 そんなわけで、タイトルもそんな珍しさが少し出るように、と直接的な書き方をしています。


 ミュシャの方も、新規顧客の開拓を~という話を何度か描写で出していたので、ここでそういう回収もしております。



*第二百二話 レモンタルト

 アイラの将来についての不安を、マリアが聞くお話です。


 こういうのをマリッジブルー、というのかはちょっと不明ですが、そういう不安なことは誰にでもあるのかな、と思っております。今まであまりアイラを掘り下げてこなかったので、ここでアイラに共感してもらえると嬉しいな、と思いながら書いたお話でした。

 あとは、ここではハラルドのことが間接的によくわかるようになっております。


 タイトルのレモンタルトは、この後の第二百三話「幸せの香り」の伏線になっています。



*第二百三話 幸せの香り

 アイラがハラルドへの調香を(一旦)完成させる回。

 ナッツオイルがないので、それをそろえるまで、という感じで、いったん、ですね。


 ここでメインとなるレモンは、「誠実な愛」という花言葉を持ちます。

 アイラとハラルドの両方にかかりますが、二人の抱えている思いを的確に表している花言葉だな、と思って採用しました。


 ちなみに、トンカビーンズも登場しますが、アイラのお店で買ったものなので、アイラにも縁のある香りです。

 今までのお話からのつながりも、ここで楽しんでいただけておりましたら幸いです。



 開花祭編は明確に区切っているわけじゃないので、ちょっと区切りが難しいのですが、あまりたくさん書くのもあれなので……アイラが香りを完成させたここまでを開花祭編の第一部、としました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ