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キャラ紹介・設定・番外編 等  作者: 安井優
本編裏話・伏線解説(ネタバレ含む)
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第七章 収穫祭編 裏話1

毒にも薬にもならない、お話の裏話や伏線解説です。

収穫祭編の第九十七話「葛藤」~第百四話「東都からの帰宅」までをここでは少し裏話を踏まえつつ、お話します。


※ネタバレを含みます。

ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。

*第九十七話 葛藤

 ミュシャがマリアへの告白と、独立の両方を決断する回。


 収穫祭編は、ミュシャのちょっと重めな葛藤、決断からお話が始まっておりますが、これは後々、収穫祭編の中盤の山場でミュシャの告白を描くための準備でした。


 ここで、少しミュシャとマリアの過去に触れていますが、重要なポイントは、ミュシャが無骨な男らしい見た目に憧れていた、というところです。

 マリアが好きなったケイという人物は、まさしく無骨で男らしいタイプ。人の好き嫌いが見た目で決まるわけではありませんが、ミュシャにとっては、自分と真逆の、自分も憧れていたような人を、マリアが好きになるので、ケイが苦手なのも当然です。

 割と最初の段階から、やたらとケイを気にしているのも、そんなわけがありました。

(気づいていただいた方もいらっしゃって、大変うれしかったです。ありがとうございます!)


 ちなみに、ラストで独立についても触れていますが、これは後の「ミュシャの独立編」への伏線(?)になっています。



*第九十八話 リンネからの電話

 リンネから収穫祭に行こう、と電話がかかってくるお話。


 ここで、リンネの東都行きが決まるのですが、こちらは、第百一話「リンネとミュシャ」、そしてそれ以降のリンネとミュシャの関係性への準備になります。


 ちなみに、カントスも一緒に行くのに、お話の都合上、ということでカントスには全然許可を取っておりません……(苦笑)

 カントスのことなので、人が増える分には大歓迎、という感じですね。

 第百話で、リンネとカントスが初対面にも関わらず、駅で待ち合わせをしているので、一応、このお話の後には、ちゃんとマリアが連絡を取り合った、という裏話があります。



*第九十九話 パーキンとキャンドル作り

 収穫祭に向けて、パーキンとキャンドルを作る回。


 透明のワックスを使ったアロマキャンドルは、マリアはこの後、第百四話「東都からの帰宅」で、ミュシャ達にプレゼントをしています。パーキンは、きっちり新商品にして、収穫祭限定の商品として売り上げていることが、第百六話「ジャンヌ」で分かります。(少しだけ描写されておりますので、ぜひ、探してみてください♪)


 この時代に、透明なワックスがあったかは不明ですが(調べても見つかりませんでした)、今では百均なんかでも手に入るので、興味があればぜひ、作って楽しんでみてください!



*第百話 収穫祭初日

 収穫祭が始まり、マリア達が東都へ行くお話です。


 収穫祭編は、クリスティ編の悲しい感じをなんとか明るくしよう、と明るい描写多めになっていますが、このお話は特にそういうお祭りの雰囲気を感じていただけるかな、と思っています。(お話全体としては、二部の山場のつもりなので……そういった意味でも、華やかなシーンを多めにしてあります)


 西洋風な建物とか雰囲気の多いお話で、東都は唯一、中国や東南アジア、トルコくらいまでの雰囲気を取り入れた街になります。

 特に、ネパールはカトマンズの雑多な雰囲気を参考にしておりますので、良ければぜひ、調べてみてください~*


 あえて記載するほどでもないですが、クリスティ編で、東都にお墓がある、というお話の伏線回収にもなっています。(お墓参りをばっちりできました)



*第百一話 ミュシャとリンネ

 ミュシャとリンネが二人でお祭りをまわる回。


 ミュシャの意外な一面が発揮されている回でもありますが、第九十七話「葛藤」の過去のお話でも触れたように、ミュシャは男らしさみたいなものに憧れがあったので、こういう男らしい、みたいなものは一通り実は体得しているというギャップがあります。


 リンネはこのお話で、ミュシャに対して少し気持ちが変わっています。ファンに近かった思いが、もう少し恋愛に近いような変化ですね。

 まだ、本人も自覚しておりませんが……これ以降のお話でも、そういう描写がちまちまと出てくるようになっております。


 ちなみに、ここでリンネが着ているお洋服は、王城編の第三十五話「予期せぬサプライズ」で購入したもの。こういう、自分でも不思議なくらいに細かなつながりが、お話のあちらこちらにあります。(笑)



*第百二話 東都の長い夜

 四人でお祭りをまわる回です。


 ここは、マリアが着替えている間に、ミュシャとカントスがこの後のミュシャの告白について話をしています。(正しくは、ミュシャがマリアと二人きりになりたいから、とカントスにお願いしているのですが)

 何やら話をしていた二人が、というちょっとした描写には、そんな大事な裏話がありました。


 ラストで、カントスが「お水を買ってきてほしい」とマリアに頼み、ミュシャと一緒に、と自然に二人きりにしてくれるのですが、これはいわずもがな、第百三話「花火」につながっております。

 カントスは、この回でダーツが得意という意外な一面を見せていますが、それ以上に、こういう気遣いの出来る男だという意外な一面が発揮されています。(シャルルの友人であり、王宮画家として最低限のマナーとか礼儀みたいなものはきっちりしているので、実際カントスはよくできた人間です! 笑)


 ちなみに、マリアとリンネのお着替えは、完全な私の趣味でした……。キモノは、この後のお話でも登場しますね。せっかく東都なので、東の国とのつながりを感じられるものを、と思って登場させました。



*第百三話 花火

 ミュシャの告白回。


 お待たせしました! という感じですね。百話以上使って、ようやく、一番マリアと一緒にいたミュシャの告白を書くことが出来ました。

 お話全体では、二部の一番の山場ということもあり、本当に印象深い回です。ありがたいことに、ミュシャを応援してくださっていた方が結構いらっしゃったので、その方々にはこの場をお借りして謝罪します……。大変申し訳ありません。

 二人はもはや家族みたいな関係なので……告白の後は、より、友人として仲良くしております。


 ちなみに余談ですが、ヨーロッパでも花火は十三世紀以降に伝わっており、十七世紀には研究まで進められていたようです。

 東都は特に、東の方の文化が色濃く出ているので、お祭りの時には普通に花火が上がります。



*第百四話 東都からの帰宅

 東都から街の広場へと帰ってくるお話。

 帰るまでが遠足、とは言いますが、ここのお話はまさにそんな感じですね。みんな、それぞれの思い出を胸に、夢のような東都での収穫祭から戻ってきます。


 ミュシャは、この帰り道でマリアに独立の話をすることを決意。

「収穫祭が終わったら話すよ」というミュシャのセリフがありますが、この後、第百九話「最終日前夜」からの伏線(?)になっています。


 そして、キモノを祖母の墓参りに着ていこう、というラストは、無事に第百三十九話「成長と寂寞」で回収されました。



 お話全体としては山場となる二部の前半がここまでです。後半では、ミュシャの告白で沈んだ空気を少しもとに戻すのと、独立を告白するという二つ目の山(?)を描いております。


「はじまり編」を除いて、それぞれの章に、マリアとは別でメインとなるキャラクターがいるのですが、この収穫祭編では、ミュシャが主人公でした。

 ミュシャは、この後の「ミュシャの独立編」でも主人公になっているので、ある意味、マリアの次に主役が多い人ですね。

 報われない恋でしたが、その分、お話を読んでいる皆さまにミュシャを愛していただけていたらうれしい限りです。

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