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キャラ紹介・設定・番外編 等  作者: 安井優
本編裏話・伏線解説(ネタバレ含む)
55/88

第一章 はじまり編 裏話2

毒にも薬にもならない、お話の裏話や伏線解説です。

はじまり編の第七話「ライラック」~第十二話「しばしの別れ」までをここでは少し裏話を踏まえつつ、お話します。


※ネタバレを含みます。

ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。

*第七話 ライラック

 実は、ここは調香師的なお話が出つつ、ライラックのお花のお話や祖母のお話をしつつ、シャルルさん再登場というなかなか情報量の多い回になっています。


 ライラックのお話は、西洋の方では割と有名(?)なお話をもとにしていますが、それと同時にリラの過去のお話だと考えていただくと……また少し、違った見方ができるのかな? と思いますので、よければぜひ、本編を振り返っていただけると幸いです。


 ちなみに、ライラックの花言葉は「思い出」「友情」。

「思い出」は、祖母の方にかかっていて、「友情」はシャルルの方にかかっています。マリアとシャルルが最初に一緒に楽しむ花の香りがライラックなのには、そういう意味もありました。


 そして、ここでライラックの香りを取り出すのは、次のアイラの登場もありますが、ガーデン・パレスへ行く、という大きな変化をもたらすための伏線でもあります。

ガーデン・パレス編は、マリアが大きく飛躍するきっかけなので、ライラックの花(祖母)がマリアの背中を押してくれた、とも言えます。


 余談ですが、シャルルさんに姉がいることがここで明かされていますが、お名前のみの登場でしたね……。すみません。



*第八話 王立図書館

 アイラさん登場回です!

 そして、タイトルになっている「調香師は時を売る」という単語が出てきたり、香りの抽出方法など、少し香りの専門的なお話が書かれていたりする、結構大事な回です。


 ちなみに、王立図書館は、実際にある「王立ポルトガル図書館」がモチーフになっています。

本当に夢のように美しい図書館なのですが、実際の王立ポルトガル図書館では、本に触ることすらできないらしく、それが悔しくて、無料で誰でも本が読み放題、な王立図書館をお話の中で作りました。(笑)



*第九話 ミュシャの心配ごと

 ミュシャ視点のお話なのですが、いつものマリアののんびりとした雰囲気よりも、少しだけピリッとした落ち着かない雰囲気が漂っている(はず!)お話になっています。


 気軽に電話を登場させましたが、一応史実上も、一九一〇年ごろにはすでに日本でも数十万人という単位で使われていたようなので、おそらく大丈夫だろう、と悩んだ記憶があります。


 電話の途中、マリアが「油がはねた」というセリフがありますが、これはこの前のお話で出てきた香りの抽出方法に由来します。(油脂を温めて香りを取り出す方法を実験していました)

 また、その後の十二話「夜のお茶会」で実際にミュシャも蒸し暑いお部屋で香りを抽出することになるので、ある意味それの伏線的な感じです。(笑)



*第十話 懐かしい記憶

 ジュークボックスが登場しますが、こちらは、ディスクオルゴールと呼ばれるタイプのオルゴールで、大型(振り子時計や食器棚くらいの大きさ)のものです。

 特に、実際の史実でも、スイスやドイツでは一八〇〇年代後半からオルゴール産業が盛んだったこともあり、マリア達の時代(一九二〇年ごろ)がピークで、それ以降は蓄音機に変わっているので、ある意味時代を象徴する一つ特徴的なものかな、と登場させました。


 ちなみに、ここで登場する曲は『星に願いを』をもとに考えたものになります。

 この後の「夜のお茶会」で流れ星にお願いをする場面にかかっているものになりますが、それとは別にもう一つ、開花祭編にて登場するハラルドの思いとも少しリンクしているところもありまして(ツイッターにて考察いただいたりして、大変うれしかったです)思入れのある曲になりました。



*第十一話 夜のお茶会

 マリアとミュシャの香り抽出苦戦回であり、それと対比するようなのんびりお茶回です。

 前半では、努力家であり、香りのことならどんなことでも頑張れる、というマリアの調香師としての根本が少し垣間見えるかな? と思っています。


 そして、マリアが日記をつけている様子がここで登場しますが、この日記は、後ほど、調香師との出会い クリスティ編のラスト(第九十六話)「マリアの日記」でも登場します。

 伏線、というほど大げさなものではないですが、後々日記を使ってお話を振り返ろう、と予定していたので、あえてここで少しだけ描写をいれました。


 余談。ここで出てくるママレードの入っているカモミールティーは、ガーデン・パレスに行くことになり、結局発売することができませんでした。(苦笑)



*第十二話 しばしの別れ

 実はここで、次のお話「嵐は突然に」の、冒頭のケイとのハプニングを起こすために、看板掃除をさぼるマリアが書かれているのですが……お気づきになられた方はいらっしゃいますでしょうか?(相変わらずわかりづらくてすみません)

 明日の雨でまた汚れるだろう、と掃除を先延ばしした結果、ケイとのハプニングに見舞われることになるので、運命、みたいな感じでしょうか。


 そして、ミュシャがマリアからもらったバスオイルは、収穫祭編の最初(第九十七話)「葛藤」で使っているのですが、半年くらいたっているのでかなり大事に使われていたことがわかります。(笑)


 ちなみに、タイトルが、ある意味この後の展開に対する伏線です。芸人さんの「押さないで」は「押して」と同義、みたいなものになっています。(笑)

 ガーデン・パレスに行くことになるので、しばし、どころかかなりミュシャはマリアと会えなくなる、というなんとも残酷なことをしました。


相変わらずの不定期更新となりますが、ご了承ください。

一応次回の予告をすると、ガーデン・パレス編の第二十話「香り作り」までの裏話をお話する予定です~*

お楽しみに!

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