キャラクター裏設定 2
毒にも薬にもならない、キャラクターの裏話をこちらでご紹介します。
(2では、ガーデン・パレス編と王城編に出てくるキャラクターを紹介します)
※ネタバレを一部含みます。
ネタバレが大丈夫だよ! という方、すでに完結まで読んだよ! という方はこちらを読むと、よりお話が楽しめるかな、と思います。
*リンネ
名前の由来。
分類学の父、カール・フォン・リンネからいただきました。
植物学の学名分類の礎を最初に築いた方で、植物学者としても知られています。
ガーデン・パレスで働く植物学者のキャラを出すぞ、と決めたときにこのお方は外せないだろう、と思った次第です。
家族構成と生い立ち。
実は下に弟二人、妹一人がいるお姉ちゃんです。(作中には一切出てきませんが)小さな村の出身で、ガーデン・パレスでの就職を機に、国の中心部にやってきました。
村では、野草を食べたり、キノコを採ってきたり、というのが当たり前だったので、植物に詳しくないと死んでしまうのですが……そういう裏話もあって、ガーデン・パレスには比較的良い成績で入所しています。
好きなもの。
お洋服。流行を追いかけるのが好きです。
植物も好きですが、鑑賞するより、それを医薬品として使用するのが好きです。
その他。
ガーデン・パレスに入所してから、年齢の近い同性の友達は少なく、マリアの存在は大変大きなものでした。
マリアと一緒にお話を前へ進めてくれるキャラが欲しい、と思い、快活な女の子にした記憶があります。お話を明るくしてくれる重要なキャラになりました。
最終的には、ミュシャのことを引っ張っていってくれることになり、うれしいです。
*シュトローマー(ベジリーじいさん)
名前の由来。
化石学者で考古学者のエルンスト・シュトローマーからいただきました。
眼鏡にひげ、というチャームポイントをもつおじいちゃんが欲しい、と思っていたところ、そういえば、と思い出してお名前をそのままいただいた記憶があります。
家族構成と生い立ち。
マリアの祖母、リラと同級生で、切磋琢磨しあった仲です。(リラの話をしなくちゃ、と思ったときに、そういう人物が必要なことに気づき、考えたキャラになります)
リラに淡い恋心を抱いていたようですが……その後、思いを伝えることもなく、誰かと結婚することもなく、一人、ガーデン・パレスの片隅で暮らしています。
ちなみに、発掘などの帰りで砂まみれだったりするので、ガーデン・パレスの寮に入るのはまずいだろう、というとっても優しい他人思いな理由からです。
好きなもの。
チーズ。野菜。お肉は食べられません。動物に思いをはせて悲しくなるからです。
その他。
ガーデン・パレスで、植物ではなく動物を扱う側の人で、唯一、フォッシル・シュトローマーというファーストネームとファミリーネームの出てくる人です。(フォッシルはそのまま、化石を意味しています)
特に意味はないのですが、ドクター、みたいな職業を表す肩書きだと思っていただければと思います。(笑)
*ディアーナ
名前の由来。
月の女神、樹木の女神を表すディアーナからいただきました。(英語読みだと、ダイアナですかね?)
国の王女様、ということで、国の繁栄を祈って、人間に対する多産の神としてあがめられている女神さまのお名前を頂戴しました。
後々、婚約者と対にしたい、という思いもあり、二人セットでお名前を考えました。(この後出てきますが、エトワールには星、という意味があります!)
あまりにもラ行がつく名前が多いことに気づき、すごく悩んだ記憶があります。(笑)
家族構成と生い立ち。
王様と王妃様の一人娘です。周囲からの期待もあり、大人にならなければ、と背伸びしていたりすることが多いです。登場時の、つっけんどんな態度(ツンデレっぽい雰囲気)は、そういうディアーナの思いの裏返しだったりします。
好きなもの。
甘いものとおいしい紅茶。
綺麗なものや可愛いものは好きですが、執着しているわけではないようです。
その他。
シャルルさんとの恋路をもっと切なく描こうと最初は考えていましたが、エトワールを登場させたことで一変しました。乙女の恋心は移ろいやすい……。
根本がとても懐の深い愛のある女の子なので、もっとわがまま放題なお転婆娘にしたかったのですが、最終的にはすごくいいお姫様になりました。
*エトワール
名前の由来。
スター、エースを意味する言葉からいただいています。
騎士団の将来有望な若手、という意味と、ディアーナの行く先を示す一番星の二つの意味を込めました。ディアーナの月ともセットになっています。
また、一番星は特に、金星、「太陽」(シャルルのイメージ)と「月」(ケイのイメージ)とセットで、三番目に明るい星として、三人で国を導く、見守る、という意味から名付けています。
家族構成と生い立ち。
まったく作中には出てきませんが、シャルルに憧れて騎士団へ入団した青年です。今は、ケイの部下として第三部隊で頑張っています。シャルルに強い憧れがあるので、雰囲気もかなりシャルルに似せています。
好きなもの。
フルーツは好きですが、甘いものは苦手なようです。
お肉やがっつりしたものが好きです。
その他。
最初は、もっと熱い男にしようと思っていました。(ディアーナとシャルルの恋路をもっと掘り下げる予定だったので、無理やりそれを奪うくらいの青年にしようか、と考えていました)
実際登場させると、かなりシャルルに寄った感じのキャラになったので、スマートに、ディアーナとはくっついてくれました。かなり私が助けられたキャラです。(笑)
*トーレス
名前の由来。
西の国の第三王子なので、三番目、の意味を持つ言葉から名付けました。
トーレスは両親からもはや愛情を注がれることもなく生まれてきているので、両親も名前にそれほどの意味を持たせなかったのでは、と思っています。ひねりのなさには、私が一番驚いています。
家族構成と生い立ち。
西の国の王族、三番目に生まれた王子です。生まれながらに王位継承権がなく、両親は兄二人を溺愛していて、そのせいでかなり歪んだ性格に育ちました。西の国でも、雑務のような仕事を押し付けられています。
そんな両親や兄たちに復讐すべく、ディアーナとの婚約を考えていました。
ディアーナとの婚約を破棄されたのち、西の国を逃げ出し、マリアとの出会いで大きく運命が変わります。今は、騎士団の経理として一生懸命に働いています。
好きなもの。
おいしいもの、美しいものが好き。王族、という感じですね。
西の国のことも、なんだかんだ言って嫌いではないのです。
その他。
一番ドラマがある人だったかもしれません。最初から、最終的にはいい人にしよう、メインキャラの一人になるような人物にしよう、と考えていたので、結果的にそれが書けて良かったな、と安心しています。(笑)
外見も赤髪にヘーゼルアイという、私の個人的趣味満載のキャラになりました。
*メック
名前の由来。
商人を表す英語、merchantからとりました。安直。大きな商店の一人息子、という設定は考えていたので、安易ですがそのまま使っています。一応、英語的にも海外取引などの大きな貿易をする人に特に使われることの多い単語なので、メックらしいかな、と思っています。
家族構成と生い立ち。
北の町の「ティエンダ商店」という大きな商店の一人息子として生まれました。両親には甘やかされて育ったので、快活ですが、大きな困難に直面したことがありません。また、女性の扱いには慣れていない様子で……ディアーナとの婚約で、人生の壁に初めて直面します。
好きなもの。
作中にはまったく出てきませんが……古い硬貨を集める趣味がありました。商人なので、お金にはやはり、ある程度の執着があるようです。
その他。
実は、アイラとのお見合いをさせようかと考えていましたが、王女様の婚約者候補だった人が、一介の小さな商店の娘とはお見合いしないな……と冷静になり(苦笑)その結果、今でも一人身です。まだまだ伸びしろのある青年です!!(笑)
*ハザート
名前の由来。
危険、障害物を意味するハザードと、オランダ語で強欲を意味する「hebzucht」をかけたお名前になっています。
家族構成と生い立ち。
長い間独身であり、親のすねをかじって生きてきた貴族です。財務大臣の補佐として働いていますが、とにかく、お金と地位、名誉のことしか考えていないような悪い人です。
好きなもの。
お金、地位、名誉、女。(こう書くと本当にひどい人ですね……)
その他。
調香師の中では唯一といっていいほど、悪い人です。本編の作中には出せませんでしたが、ケイの過去、村の大火事の犯人もこの人です。執事の男は、とにかくハザートに陶酔していますが……何事も極めれば一定数のファンがつく、というのは皮肉な話です。
最後にハザートの紹介になったことが悔しい、裏設定2でした。(笑)
裏設定3では、調香師との出会い編から西の国編までをお届けします!
お楽しみに!




