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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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96P

野乃野足軽はドクンドクンと鼓動が脈を打ってる。なぜかって? それは勿論後少しで昼休みになるからだ。いつもなら、歓喜に震える時間が迫ってるはずだから、早く来い! と思うところだ。


 けど今日という日は違う。来るな……とは流石に思わない。だって授業はかったるいかと野乃野足軽は思ってる。けど、昼休みを手放しで喜べるかというと、そうじゃない。こんな日は一年でそんなにないだろう。それだけ学生にとって昼休みという時間は安寧の時間なんだ。


 だから昼休みは来てほしい。けど来てほしくない奴がいるってことだ。野乃野足軽にとっては……だけど。他のクラスメイトたちは一体何が起こるのだろう? ってきっとワクワクしてるんだろう。ただの観客になれるのなら、たしかに今日のこのイベントは楽しいものなのかもしれない。


 けど最悪、この学校の人気者である人物と敵対することになるかもしれない野乃野足軽は胃を痛めてた。


(おかしいですね。負けるわけ無いでしょうに)


(いや、それは何を勝利条件にしてるかでかわるだろう)


 頭の中でアース相手にそんな会話をする野乃野足軽。実際、本気でやりあったら、負けることなんてないだろう。それこそ力がある野乃野足軽ならいくら2年先輩である山田先輩相手にだって遅れをとることはない。


 それこそちょっと脳みそに声をぶつければそれで終わる。でもそういうことじゃない。それではある意味で何も解決しないし、人前でそんな事を出来るわけもない。実際、傍から見てる人達には、それをやるとただいきなり山田先輩が昏倒したようにみえるだろう。だからバレることはきっとない。


 でも、不自然に思うやつは現れるかもしれない。そういう可能性からバレるかもしれない。


(まあ、力をつかうなんて無いけどな)


(そうでしょうか? 力は使うためにあるものです。それに――)


 なんかもったいぶるアース。そしてなんかアース自身がその力を使って、クラス中のクラスメイト……傍は前で授業をしてる先生にまでその力を伸ばしてる。一体何する気だ? と野乃野足軽は思った。たしなめようとも思った。実際、アースが本気になれば、この世界から人類とか滅ぼせそうなやつである。だからたしなめると言っても、本気で機嫌を損ねるとどうなるか……を考えるとそこまで強く出れない野乃野足軽だが、普段はそんなの気にしてなんて無い。


 なにせアースがそういうことには一切興味がない……とわかってるからだ。地球の化身みたいなやつなアースだが、実際環境破壊とかそんなのでぷりぷりしてるところを見たことなんてなかった。


(――一体何に遠慮をする必要があるのかわかりませんね。使える物は使ってこそ、欲しいものは得られるのですよ。力を得た事をもっと誇りにして欲しいくらいです)


(おまっ……やめ……)


 野乃野足軽の頭に沢山の情報が入ってくる。それはクラスメイト達の記憶とかそういうものだった。昨日の晩ごはんから、何をやってたのか……そして女子なら風呂場での様子とか、どこから洗うかとかまで見えるわけだが……なにせ情報量が多すぎて興奮してる場合じゃなかった。


 野乃野足軽は頭痛くてそれどころではない。

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