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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
90/871

89P

認識阻害――それは周囲から存在感を消す方法だ。まあもとから野乃野足軽は存在感が薄い存在ではあった。けど、認識阻害はそんな生まれ持った目立たなさ……なんてものではない。目の前にいるのに、その存在を認識できない……となるほどの力である。実際はちゃんとその人物を意識して注視すると認識阻害は効かないらしい。


 まあ試す機会なんてないな……と野乃野足軽は思ってる。それにそんなに野乃野足軽は自分が注視されるなんて思ってなんてない。だから問題なんて無い――って認識だ。ふとした時に、気づいたら居なくなる……それが大切だと思ってる。


 その分で言えば、この力は十分に使える。けど流石に周囲何十人にも……となると厳しい。今の感覚だと、同時に使えるとしたら五人くらいだろうと野乃野足軽は考えてる。それも目一杯頑張って――だ。


(でもこれで、わざわざ三階から飛び降りる必要もないかもな)


 せっかく一気に飛び降りれるようになった野乃野足軽だが、その必要性は薄くなったと言わざる得ない。やっぱりベランダから飛び降りるよりも、ドアから出たほうが安心安全だからだ。一人程度の認識阻害なら、それこそ簡単だ。


(けど、思ったけど認識阻害してるなか、扉を開けたりしたらどうなるんだ?)


(それは勿論、注目される様な事をしたら分かります。あくまでも阻害してるだけですからね。意識を逸してるだけです。過信は禁物です)


 流石に注目されるとバレるということだろう。なにせ認識阻害は透明人間になってるわけじゃない。見えてるけど、あれは取るに足らない……それこそ認識するに足らないもの……として脳を錯覚させてるにすぎないからだ。


(それに……)


 なにやらアースが真剣な声音で野乃野足軽の頭に直接伝えてくる。


(さっきの大男ですが、あの男の感覚は鋭敏です。かなり気をつけないと駄目でしょう)


(俺の認識阻害では阻害しきれないってことか?)


(その可能性はあります)


(あいつ、人間か?)


 野乃野足軽は思わずそんな風につぶやいた。たしかに……と野乃野足軽は思い返す。たしかに桶狭間忠国はあの時、なにやら気配……を感じてた。そして的確に野乃野足軽が張り付いてる天井をみてた。あの時、あれはたしかに注視されてたはずだ。それでもバレなかったのは、あのときに認識阻害をしてたのは野乃野足軽ではなく、アースだったから……その可能性はある。


 もしも未熟な野乃野足軽の認識阻害では桶狭間忠国は欺けない……その可能性が浮上したことで野乃野足軽は桶狭間忠国をさらなる危険人物と考えるようになった。

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