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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
88/871

87P

「意識に干渉って……大丈夫なのか? 後遺症とかさ」


 意識ってことは、きっと脳に干渉してるんだろう。そうなると、なんか……な、と思う野々野足軽である。別に、そこらの不良みたいな奴らならそんな躊躇なんてないが、流石に同年代の子供にそんなことをするのは……


(いや、いろんな作品で認識阻害とかいう技は出てくるけど……)


 あれって結局は創作だから……だから実際の影響を考えてるわけじゃないだろう。でもリアルで頭に干渉できるとなると、何かある影響があるんじゃないか? とか野々野足軽は考えてしまう。


(大丈夫ですよ。確かに記憶を操ったり、何かを書き換えたりすると影響はあるかもしれないですが、認識を隠すくらいは問題ないです。別に何か脳を書き換えてるわけでもないですから)


「そうなのか? 検証とかしたのか?」


(そこまではやってません)


「なら、絶対に影響がないなんて言えないくないか?」


 そんなことをぐちぐちという野々野足軽にアースは思った。


(こいつ、面倒くさいな……)


 って。そしてそこまでぐちぐち言われたらちょっとアースだって気分が悪くなるわけで……


(もう助けません)


 −−となった。流石にそれは困ると慌てる野々野足軽。だってアースは今の野々野足軽よりもその力の使い方とかめっちゃうまい。色々と教わってるところもある。言わば先生のような……そんなところでもあるのだ。


「ちょ!! 悪かったよ。助かった。本当に」


(…………)


 反応は返ってこない。どうやら相当ご立腹らしい。確かに良かれと思ったことにぐちぐちと言われるのは気分が悪いだろう−−と野々野足軽は思った。あの時、もう最終手段として、野々野足軽は頭に声を響かせて昏倒させようか? と思ったくらいだった。そもそもがそっちの方が確実に脳へのダメージは高いだろう。


 何せ強制的にダメージを与えて意識を刈り取ってるわけだからだ。それに比べたら、アースがやった認識阻害みたいな方法はとても平和的と言わざる得ない。


「なあアース、ごめんって……」


 反応は返ってこない。このまま自分の中で不機嫌です−−オーラを出され続けても気分が悪くなるだけ……と思う野々野足軽は考える。そして一言ポツリとこういった。


「お菓子、買ってやるよ」


(許しましょう)


 ちょろいなコイツと野々野足軽は思った。けどその後に高級菓子を要求されて、最近平賀式部とご飯を食べてその後に平賀式部がお菓子をくれるわけだけど、そのお菓子が高級な……それか良いところのお菓子ばかりなのが、ここに来て仇になったと思った野乃野足軽だった。

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