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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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その手は届くpart1

 コンテナの中には誰もいない。さっきまでは確かにここに十人に満たない子供たちがいたはずだ。子供といっても、その中には野々野足軽とそんなに変わらない歳の子もいたが……皆、一様に影の中に消えてしまったようだ。

 こうなると、本来ならお手上げ……だろう。だって陰に潜るなて普通なら同系統の力でもない限り、どうしようもない。それか、術者本人が影から出てくる所を抑えるか? くらいしか対策はないだろう。


「でもそれは難しいような?」


 術者が影を自分の意志で操ってるのなら、それもあるだろう。でも実際今回の事は力の暴走というのがきっと正しい。極度の不安による、精神の不安定で起こった漏れ出た力の発露が周りを巻き込んだ。そこにはきっと術者の子の意志はないと思われる。

 そうなると……


「自分自身でかえって来れる……とは限らない」


 そうなると無理矢理こっちからアクセスすることがひつようだ。無意識に開いた扉に鍵がないとは限らないのだ。どうい事かというと無意識で開いてしまった扉のもう一度の開け方が分からないことってのはあるってことだ。


 泥酔してホテルの部屋の外に出ることはできても、そこにオートロックがあったら、戻れないのだよ。まあ、その場合はフロントに行けばいいだけではある。けど超能力という自分自身の内の力にはカスタマーサポートはない。 

 コンセルジュはいない。それにきっとこの原因になった子がどれだけ自分の力をわかってるか? にもよるだろう。そこそこ自分の力を理解してたら、もしかしたら冷静になって力をうまく使って再び扉を開ける事かできるかもしれない。

 でもそれは楽観的な考えだ。一度開けたからもう一度開けるだろうってのは希望的観測に過ぎない。最悪の想定をしないと……そしてその最悪とは、二度とこれをやった子が再び自力では戻ってこれないことだ。

 その可能性も十分にあるのだ。確かに力は……超能力は強力だ。まあ強力ではない力もあるとはどこかにあると野々野足軽も思う。でもこの影の力は強力といえるだろう。


 もしもこの力をちゃんと使いこなすことができたら、簡単にイラつく奴をその言葉通りにまさに闇に葬りことができる。陰に放り込んでしまえば、力なき者はどうしようもないし、力があるものだって……大抵はどうしようもない。

 けど野々野足軽は違う。野々野足軽の瞳が輝く。すると野々野足軽にはわずかな力の残滓が見える。そしてその中心を見つけた。ザッザッ――と少しななめになってるコンテナの中に野々野足軽は入っていく。そしてコンテナの一番奥、外の光が届かない暗いそこに、向かって超能力をまとわせた腕を差し込んだ。

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