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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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葬夏を掬うPart5

「さて、どうするか?」


 野々野足軽は空で特殊な空間を作って考える。でかいコンテナだし、色はオレンジっぽい色してるしで、なかなかに目立つ。今やどこに目があるかわかったものじゃないから、とりあえず特殊な空間を超能力で作って隠蔽を図ってた。


 どっかの山の奥とかに行っても確かに人の目からは逃れることができるだろう。でもさ……


「そんなところに放置なんてできないし……」


 それである。そんなの今度は野々野足軽が子供たちを山の奥に放置した犯人である。このコンテナの中の子供たちは山奥で生活できるサバイバル術があるとは思えない。ならば行政に任せる? 


「無理だ……この子達は親に捨てられたんだぞ」


 国の行政に任せたところで、親の元に返されたら再び売られるのが落ちだ。だってこのコンテナの中にいる子達は皆が超能力に目覚めてる。それが重荷で、皆が親から捨てられてる。

 持て余す親の元に帰っても、幸せになるなんて思えない。では野々野足軽がどうにかする? 

 頭を振ってそれを否定する。


「どうやってだよ。俺は高校生だぞ」


 野々野足軽は確かに超越した力を持ってる。それはこの夏で更に超越の超越くらいには至ってるだろう。でもだからってお金を稼いだことはない。お小遣い程度を稼ぐくらいしかしたことないのだ。

 このコンテナの中には10人に満たない子達がいる。


 足軽と小頭……その二人を育てるのにも両親がひいひいと言ってるのを野々野足軽は知ってる。そう誰かを養うというのはとても大変で、現実問題お金がかかるのだ。それなのに一銭も稼いでない野々野足軽がいきなりこんな子供たちを養う? 無理だ。だからこそ、野々野足軽は途方にくれていた。

 助けたは良いけど、でもまだ「助けた」とはいえないのかもしれない。今はまだ悪者から連れ去った……というか? 誘拐犯がスライドしたみたいな? そんな感じではないだろうか? だって中の子供たちはこのまま放り出されても野々野足軽を救世主だなんて思わないだろう。

 

 野々野足軽は頭を悩ませる。親の元に送ることもできないし、かといってこの子達を保護することだって難しい。そういう保護施設って親の同意とかなしに行けるのか? でも連絡とかがいったら、親がそのまま放置してくれたらいいけど、金になる……とわかってるのなら、再び売られることだって考えられる。


 保護施設とか明確な証拠がないと親が引き取りたいっていっても拒否できるわけはないだろう。やっぱりこの子達は秘密裏に何処かで匿うのが最善だとおもうけど、問題は先立つもの……そうこの世は金が全てなのだ!

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