葬夏を掬うPart3
コンテナの中には五歳から十八歳以下の男女様々な子供がいた。その中の子供たちの共通点は皆一様に絶望に包まれてる……と言う事だ。誰もが、あきらめたような……そんな表情をしてる。
何かスーツのマフィアが言ってる。言葉は理解できないが、きっと「この中に入れ」――とかだろう。でもその子の脚は動かない。だってこんな……こんなに仲間がいたんだ! なんて思えない。そこには絶望しかなくて、元々諦めてたけど、この中に入ったら、もう絶対に出れないような……そんな気がしたんだ。
だからその子の脚は動かない。でも、背中を押されて、体が前につんのめる。倒れないようにって進むと、もうそこは……コンテナの中だ。
マフィアが再びコンテナを操作したんんだろう。振動と共に、背後の扉が閉まりだす。まだ間に合う……だって大きなコンテナの扉は重そうで、ゆっくりとしまってる。ならばまだ走れば外に出れるだろう。
けど……振り返ったその子が見たのは、コンテナの前にいる大人たちの多さだ。それを見て思った。
(無理だ)
――て。足が動かない。まだ間に合ったはずなのに、そのタイミングはもう過ぎ去って、外が徐々にみえなくなる。夏の眩しい日差しが細くなっでいく。そして……暗闇は訪れる。
けど常夜灯のような弱い光がどうやらあるようだ。なんとか人影が見える程度には中は明るかった。でも新参者が来たというのに誰も何もいわない。でも、その子も別に誰かに話しかけたりなんてしようとも思えなかった。
だってなんの意味もないからだ。どのくらいこの中にいればいいのかもわからない。だからいつまでも立ってても……と思ったからその場にしゃがみこむ。その時だった。
ガタガタ――とこのコンテナが揺れてる気がした。もしかして運ぼうとしてる? とか思ったが、そのガタガタは継続的でそして強くなっていく。
「なっ、何!?」
とりあえず体育座りしてたけど、危なそうだっだから、四つん這いになった。すると確かに感じる振動。さらに外からはゴウゴウという風の音? もっと言えば、風の音に交じって悲鳴のようなものも聞こえる。
何が起きてるんだろう? 何もわからないコンテナの中の子供たちはとても不安がってる。




