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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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残りの夏Part3

「うおーめっちゃ青いってか緑?」


 そんな声を漏らしてる野々野足軽。見せられてるのはタヒチの写真だ。スマホでどうやら沢山撮ってきたらしい平賀式部はタヒチがどんなところかわかってない野々野足軽に思い出の写真を見せてくれてた。


 そこはとてもきれいな場所で、小さなスマホの画面でもその澄んだ輝きというか? 透明感って奴が伝わってくる。海の青さが半端ない。野々野足軽も田舎の方の海にいったが、流石にこんな青というか? 緑というか? そんな色はしてなかった。だってその色の出方が違うというか? 本当にきれいなのだ。

 どうやらタヒチというのはフランスにある孤島達をまとめて呼んでるような? そんな場所らしい。リゾート地として有名みたいだ。写真はとても晴れ渡ってて、暑そうに思えるが……


「ここって暑くないの?」

「暑いですよ。そんなに日本と変わらないかな? でも非日常はそういうの吹き飛ばしてくれない?」

「まあ確かに」

「そっちはどうでした?」

「こっちは……」


 タヒチには興味津々だけど、平賀式部にだけ話してもらうというのも不公平だろう。でも……


「こっちは日本のどこにでもある田舎に行っただけだよ。もうほんと山と海しかないような場所」


 別にこれは卑下してるわけではない。だって平賀式部にはあの事……一夏の大冒険は話せないじゃないか。家族にはバレてしまったが、なるべくなら秘密にしておきたい年頃の野々野足軽である。

 まあけど平賀式部は彼女だ。大切な人である。それならば……という気持ちはあるが、実際怖くもあった。


 世界には日々超能力に目覚めてる人たちが増えてる。きっとこの社会は変わっていくだろう。でも突然の変化はどういう風に振れるのわからないものだ。実際、超能力に目覚めた人たちを『化け物』――という声もある。

 超能力に目覚めてしまって手に負えなくなった子供を特殊な機関に売り渡すなんて話だってあるのだ。全ての人がいい感情を持ってるわけじゃない。だからなるべくなら秘密にしておきたいと野々野足軽は思ってる。


 あの田舎での大冒険を話すとなると、超能力の事を話さないわけにはいかないだろう。一体どうやって無事に戻ってこれたのか? という事になるからな。一応外から見たらあの時、あの場所は世界から隔絶されてたらしい。

 そこそこの騒ぎにはなってた。でも隔絶が解かれたときにはすべては終ってたわけで、あの町の人たちがいっぱい寝すぎてた……くらいで騒ぎは収まってた。


「おじい様とおばあ様はどうでした? 壮健でした?」

「ああ、元気だっだよ」


 平賀式部のおじい様おばあさま呼びがなんかムズムズする野々野足軽。そんな上流な家柄じゃないからだろう。それに寧ろおばあちゃんはこれからより元気になりそうな? そんな感じがしてる野々野足軽である。そうやって二人してそれぞれの夏の話で盛り上がった。宿題? はて?


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