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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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残りの夏Part2

「はい、どうぞ」

「ありがとう」


 何回か来たことある平賀式部の部屋。しばらく来てなかったから、ちょっとした変化が目に入る。それは部屋の隅に積み上げられてる様々な袋や箱とかである。なんか野々野足軽の胸くらいまでありそうなそんな箱もある。


「どうしたの?」

「いや……」


 これがもしも男友達とかなら「あれってなんだよー」とか冗談言い合えるような? そんな気楽さで突っ込むことができたのかもしれない。でも平賀式部は当然だけど女の子で、彼女なのである。嫌われたくないって思いが真っ先に来るのは仕方ない。だって野々野足軽にとっては平賀式部が初めての彼女なんだ。

 だから気になるけど、突っ込んで聞くことはできなかった。けどどうやら平賀式部は野々野足軽の視線を追って、何を言いたいのかを察したようだ。


「あれはタヒチでの買い物品なんです。ちょっと買いすぎちゃいました」


 照れながらそういう平賀式部。本当なら奥の扉にはクローゼットがあったはずだ。それもかなり広い。それこそそのクローゼットが何なら野々野足軽の部屋くらいあるクローゼットが。でも……いつも大体完璧にされてる平賀式部の部屋で旅行に行って買った買い物品が積み上げられてるってことは……ピキーンと野々野足軽は来た。


「もしかしてあれだけじゃない?」

「うっ……違うんですよ。私だって値札も見ないで買ったりしません。もっと常識的に買い物してるんです」


 なんの言い訳なのかわかんないようなことをいってる平賀式部である。でもそれはつまり今回のタヒチ? での旅行で彼女は奥のクローゼットがパンパンになるほどに買い物をしてしまった――ということなんだろう。

 部屋に出てる分もそれなりにある。もしも野々野足軽ならあれで旅行分のお小遣いを使い果たすだろう。いや、平賀式部はお金持ちだ。もしかしたらあの袋一つで、野々野足軽の貯金すべてと等価とか、なんなら足りないくらいかもしれない。


 そもそもが普通の庶民である野々野足軽ではあんなに買い物なんてできない。なんともうらやましい……とかそんな風に思ってしまう。でもそれよりももっと気になることが実は野々野足軽にはあった。


「えっと、それよりタヒチってどこ?」


 うん、外国なのはわかるけど、タヒチってどこなのか野々野足軽にはわかんなかった。

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