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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第六十五話Part6

 空に集まってた黒い雲。怨念と憎悪……そんなものが形をもって災いをもたらそうとしてる。そんな雲へと理性を失った領主が突っ込む。まるでその雲の邪悪に誘われるように、招かれるように変化した領主は突っ込んだ。

 その雲に集まった全ての怨念やら狂気……それらを喰らおうと思ったのかもしれない。厚い厚い雲の奥。そこで鬼と化した領主はみた。大きな黒い扉を。何故か……はわからない。 

 けど鬼となった領主はそれを思いっきり叩いた。扉があったから叩いた……ただそれだけなのかもしれない。それに何かを感じたのかもしれない。でも……


「うがあああああああああああああ!?」


 言葉を失った領主の拳は弾かれて悲鳴をあげた。激しい痛み。イライラした鬼となった領主はしっかりとはりついて、その牙を使うことにしたようだ。でも……ガキーンといい音がなるがそれが通る事はない。そんなことをやってると、ゴゴゴ……と振動が鬼となった領主につたわってくる。


 開こうとしてる……それを察した彼は両開きの扉の片側の上の方にのった。中から何が出てくるのかわからないが、それを食ってやろうと思ったんだろう。巨大な扉が開く。明るい不思議な模様が渦巻く扉が開いた向こう側、

 その眩しさに目を細める鬼となった領主。でも確かにそこには何かが……いる。


「ん? あれ? なんかここ違わないか?」


 そんな気の抜けたような声が聞こえる。でもそれで鬼の領主は確信した。こいつは恐れるようなやつじゃないって。だって人の声を発してるじゃないか。それに自分よりも全然小さい。恐るるに足らず。

 しかもきっと奴は鬼となった領主の存在にきづいてない。開いた扉の上側に乗ってるからだ。そこはきっと死角になってるんだろう。しめしめだとおもった。そして力を込めて、扉を蹴ってそれに向かう。大きく口を開いて、そいつの頭に噛みついて頭と身体を切り離す。


 それで終わりだ。……終わりのはずだった。でも……


「なんだこいつ? 凶暴だな。いや……こいつ……それに此の場所。仕方ない」


 領主は空中で指一本動かせないでいた。そして次の瞬間、そいつが腕を払うと、この厚い雲が真っ白にかわっていって、端のほうからキラキラとしたものにかわっていく。怨念が……狂気が浄化されてる? そしてそれは空中で縫い止められてる鬼となった領主にも及ぶ。でも彼はそれに抗うよ。


「やめろ! 力を! この力を奪うな!!」


 彼は理性を取り戻してた。でもそれが、力がなくなってる証拠だ。既に扉から出てきた人物は役目を果たしたとおもってるのか領主には興味がないようだ。


「時代を間違えたな。もう一回やり直すか」


 そんな意味不明なことをいってる。手を伸ばす領主。でも……その人物はもう領主をみてない。彼の存在とともに、再び扉はしまっていく。そして領主は地面に落ちていく。そんな中でも領主は叫んでた。


「許さん! 貴様は絶対に許さんぞおおおお!」

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