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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第六十二話Part5

ふらふらとしてる仏像のような妖怪。そんなそいつに向かって、鬼男と鬼女は息を合わせてその拳を放つ。


「「うおおおおおおおおおおおおおお!!」」


 合体技のような二人の拳が同時に呻く。隣り合った鬼男と鬼女の拳の一撃。きっとそれが「まずい!」とは仏像のような妖怪も感じたんだろうって思う。だからそいつはかなりの切り札を切ってた。それは今までにやられた攻撃で分離したその体。そのパーツをどうやら実はあの仏像のような妖怪は操れたようだ。


 他の何かを狙ってたのかもしれない。それこそ二人の油断を狙ってたとか、それか幾代の方をねらってたのかもしれないし、小頭たちの方だったかもしれない。でもそんなのを全て投げ出して仏像のような妖怪はそれらを使って雑に組み合わせて盾を作り出す。なんとも汎用性が高いやつだ。てか……もしかしたら……


(もしかしたらアレの本体は見えてる部分じゃないのかもしれない)


 そんな風に小頭は思った。すると二人の攻撃が仏像のような妖怪の盾を粉砕してその勢いのまま仏像のような妖怪へと迫る。二人の拳を胴体に受けた仏像のような妖怪は体を破壊されながらどんどん突き進む。

 そして気付いた小頭は手を伸ばす。でも当然その手が届くわけもないし、その声も幾代の結界が声を通すことない。


 そのまま真っすぐに二人で仏像のような妖怪とともに進む鬼男と鬼女。その先にあるのは門だ。異世界とこの地球を繋いでる門。そこにまっすぐに仏像のような妖怪と進んでいく二人。あの二人は確実にあの厄介な力を持つ妖怪とともに門に入るつもりなんじゃないだろうか? 


 でも小頭はもしかしたらの可能性に気づいてしまった。もしかしたらあの仏像のような妖怪はただの皮ではないのか? ということだ。さっきの肉体から離れたパーツを使っての盾。あれができるのは身体自体が自身の身体じゃないからじゃないか? って思ったんだ。そうなるとこのままだと最大戦力の二人を失うことになる。そして仏像のような妖怪の本体はこっちに残ったまま……なんて言うことに……


「おばあちゃん! このままじゃだめだよ!」


 そんな風に訴えるが、幾代にも結界の中にいる小頭達の声は届かない。後少しで門に届く。あの仏像のような妖怪の本体が今まさにぶっ飛ばされてるやつなら問題なんてない。けど……不安が小頭にはあった。このままではまずいかもって……第六感が告げてる。

 けどそのときだった。あと少しで門に届きそうなとき、その門から巨大な手がでてきたんだ。そしてそれは鬼たちと仏像のような妖怪を反対側に吹き飛ばす。

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