表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
826/871

第六十一話part5

 育代はきっと小頭を元に戻したことでコツをつかんだんだと思う。それによって次々に育代の力によってお母さんやお父さん、それにお爺ちゃんも正気に戻った。育代はいった。直してるんじゃなく戻してるだけだと……


 でも……そう思って小頭は自身の背中の傷を見ようとする。いやさすがに背中側の傷は見えないんだけど……けどジンジンとした傷の痛み。それがなくなってるのは確認できてる。そっと、腕を流して確かめても、痛みはない。

 確かに育代は直してないのかもしれない。でも……


(なかったことにしてるよね?)


 それである。


「おばあちゃんこれって……」

「お前、すごいの!」


 おじいちゃんが喜んでそんなことをいってる。それに対して汗をかなり出してる育代が「……はい」といってニコッとわらった。


 その笑顔は美しいものだったけど、きっとおじいちゃんはその奥に疲れをみたんだろう。


「だ、大丈夫か?」


 心配そうにそう聞く。けど育代はまだやることがある言うように鬼女へと腕を伸ばした。でも、それを拒否したのは鬼女本人だった。


「やめろ。そんなの必要ない」

「でも……その傷は」

「お前たちと一緒にするな。私たちは頑強なんだ」


 そう言い切った鬼女。そして肩を回したり背筋を伸ばしたりしながら、歩き出す。


「はぁぁぁぁぁ、やっと自由に動ける」


 そんな風に気軽に言ってる鬼女。小頭たちとは違って、その傷はもちろんだけど、そのまんまだ。確かいろいろと貫通してたりしてたはずである。それも一か所とかじゃなかった。胸とかだって、貫かれてたはずだ。

 けど、マジで鬼女は普通に歩いてるのだ。別に「いたたたた」とかいうこともない。本当になんか傷なんかなかった……みたいな感じである。確かに小頭も彼らは頑丈だとは思ってた。でも……あれだけやられてもあんな平然でいられるほど……とは思ってなかった。

 おばあちゃんの治療を拒んだのはきっとおばあちゃんの体調を慮ったのかと小頭は思った。でもどうやら鬼女は本当に平気らしい。


「あれなら大丈夫ね……あら……」

「お前!」


 ふらついた育代を受け止めるおじいちゃん。その姿は美しいが、見た目だけなら、おじいちゃんと美女の図である。ロミオとジュリエット……とはちょっと言えないなって思った小頭だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ