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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第六十話part3

 自分自身が示した無視できない未来。後悔なんてない方がいいに決まってる。けど、それって大抵は後からしかできない。そう、後悔をしたくないと思ってても、一度きりの人生で大抵の後悔は後からしかやってこないんだ。


 けど今の幾代は違う。その力が……自身の力が先の出来事を体験した自分を連れてきてくれた。見せてくれてる。どうやったのかははっきり言って全くもって幾代自身にもわかってない。

 そもそも幾代的にはそんなことをやろうなんて思ってもなかった。でも、勝手にあの半透明な自分は自分の力を使ってこの時間……この時の幾代の前に現れた。ぞれはもしかしたら後悔した彼女、未来の幾代が過去の自分に託した手紙だったのかもしれない。

 それを今の幾代が受け取った。タイムパラドックス的ななんやかんやがどうなってるのかとかは全く持ってわからない。この忠告によって行動を変えた幾代の影響は小さな波紋となって別の所に影響を及ぼすかもしれない。


 けど、無視するなんて選択肢はなかった。あれは自分で、そして自分を自分がだます意味があるわけない。幾代の優先順位は孫が生まれてからずっと足軽や小頭達が一位にいる。

 自分がどうなっても、孫たちを助けたいと思ってる。普通ならもう年取った爺さんばあさんである自分たちにはそんなに出来る事なんてないはずだと思ってた。。可愛がってあげる事、愛を伝えることがジジババの役目だと……


 でも、力を目覚めさせた幾代はもっと出来る事が増えた。孫と沢山出来る事が……そして孫を守ることだって……そんな風に思ってる幾代が、幾代自身を孫の安否を使ってだますなんてない。

 つまりはいかなくちゃいけない。そう判断したのはすぐだっだ。


「小頭達が危ないんです!!」


 そう大きな声をだす。するとそれに反応した奴がいた。そう、鬼男の奴だ。彼はただその言葉ですぐに動く。根拠も何も、証拠さえ提示してない。それにさっき鬼女が小頭の達のほうへといったのは鬼男だって見てる筈だ。

 そして鬼男は小頭や幾代りももっと鬼女の実力を正確に把握してるだろう。いうても小頭も幾代も二人の実力を「凄く強い」――という風に思ってるだけである。けどきっと鬼男と鬼女は互いにその実力をわかりきってる。

 それなのに、動いてくれる。


「私も!」


 一人で行ってしまうんじゃないか? と思って慌てて幾代はそういった。けどそれは杞憂だったらしい。鬼男は幾代を抱き上げて、そしてそのまま大きくジャンプする。そして夜空に溶けていく二人を残された半透明な幾代は見つめてた。


『踏ん張り時よ』


 そんな風に背中に声を残して……


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