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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十六話Part4

 もしも……もしも大妖怪の一つでも解放されたら……と不安がってた野々野小頭だけど、鬼女の別段気にしてない態度、それに鬼男のぶれない姿……それを見てると大丈夫なのかな? と思ってくる。


(いやいや、鬼男っていつもあんなだし)


 それを思い出す。確かに鬼男は頼りになる。鬼女だってそうだ。大体妖怪たちを封じる力仕事は彼らにやってもらったようなもの。まあだから、もしも大妖怪が解放されても、二人はもう一度封じれはいい……くらいの感覚なのかもしれない。

 自分たちならあの妖怪たちには負けない……という自信があるのかも。一回は勝ってるしそれは小頭だってわかる。でも実際はただ大妖怪をもう一度封じるだけ――では済まないと小頭は思ってるわけだ。

 もっと面倒なことになる……と思ってる。だから心配してるわけだけど……


「心配するな」


 鬼男か短い言葉でそういった。心配するな……それだけ? 理由は? とか野々野小頭は思うけど、それ以上がつづかない。ずるとおばあちゃんが推測を言ってくれる。


「私達を夢へと閉じ込めようとしたって事は直接的には敵わない実力なんじゃないのかしら? そして私達を直接狙ってきたからこそ、結界を解くことはできないと考えられるんじゃない?」

「おおー」


 やっぱりおばあちゃんは賢いね。なるほどそういわれたら確かにそうだって小頭は思った。だって封印を解けるのなら、小頭達に変なちょっかいをかけて自分の存在をばらす必要はない。

 だってやられるかもしれないじゃないか。それよりもかくれつつ、大妖怪を封じてる結界を壊す方向に動いた方がいい。でも、しなかった。いやできなかった。だから小頭達を直接狙った。それも直接的な戦闘じゃなく、夢というとても遠回りな方法で小頭達を排除しようとした。

 なるほど、その行動自体が答え……と言う事なのかと小頭は学んだ。


「同じように洗脳されてない妖怪がいるとして、このまま何もしないでいられるかな?」

「どうかなぁ? 私もそれほど妖怪に対して詳しいわけじゃないからね。ねえ妖怪の専門家さんたちはどう思う?」


 そういっておばあちゃんは鬼男に視線を向けた。二人の視線が交差する。おじいちゃんやお父さん、お母さんはこの会話に入ってこれない。けど、この広がる光景にそわそわとしてる。

 実際こんな場所はいるだけでも落ち着けるわけないから。すると鬼男が口を開く。そしてその視線はおばあちゃんではなく妖怪たちが集ってる場所にむく。


「奴らは諦めが悪い」


 次の瞬間ズドーンとなにやら巨大な狸の置物? みたいなのがそこに落ちてきた。


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