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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十三話Part2

「ここ、いいかい?」


 失恋パーテー、そんな名目で彼女たちは集まってお酒を飲んでた。大学時代からの友人たち。結婚式にも招待する予定だった彼女ら。でも……その予定はなくなってしまった。


「あはは、ごめんね」


 そんな風にいって誤魔化そうとしてた。けど、やっぱり友達なのか、気持ちが落ち込んでるのに気づかれて、彼女は根掘り葉掘りと聞かれてしまった。踏み込んでほしくないときとか人にはあるだろう。

 友達だからってなんでもかんでもずんずんと来てほしいわけじゃない。彼女だって最初はそう思ってた。でも……一回話すと口をついてこれまでのことが吐き出されるようにでてしまった。

 それからは一節喋るたびにビールをぐいっと流し込んだせいだろう。彼氏のグチとともにすべてを話してしまってた。そうなると、友達である彼女らは黙ってられないと、失恋パーテーを開催することになったのだ。

 冷静になったあとで断ろうと思った。けど押し切られる形で来たそのパーテーはまるで合コンだった。男で傷ついた心は男で癒やすのが一番だよね! ――ということらしい。実際そんな次をすぐに……なんて考えてもない彼女的にはありがた迷惑ではあった。


 けどそれも最初だけ、やっぱりお酒が入っていくと、色々と同じ男性……ということでグチグチと彼氏に言えばいい文句を垂れていた。そんなことをやってると、いつの間にか彼女のためのパーテーなのに、男は友達のところでいい雰囲気に……顔を赤くしてビールから焼酎に切り替えて徳利でチビチビと飲んでた彼女。

 するとそこに友達がトイレにでも行ったのか、戻ってきた男性が一人。再び隣に座ってきた。ちょっとした個室の居酒屋。畳席でテーブルを囲んでた中、座布団にあぐらまでかいて座ってたのに、再び戻ってくるなんて何用だ? と思った彼女だ。


「プロポーズまでされてたのにね。それなのに他の女の所にいくなんて。そいつは最低だね」


 そんなことを言ってくる爽やかイケメン。きっと共感することが女を落とすのに一番の方法だとわかってるんだろう。そして爽やかイケメンに女は弱い。酔った女に共感して優しい言葉をかけて、いい感じになって沢山の女を落としてきたんだろうって雰囲気が男にはある。でも……


「ちがうのぉ! 彼はぁ……悪くない! いや悪いけどぉぉ! 女と式場行ってたのは悪いけどぉぉ!! 悪くないのぉぉ!?」


 彼女は出来上がっていた。だからなんかおかしな情緒になってるようだ。イケメンもこの返しには笑顔をちょっと引きつらせてた。


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