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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第五十一話Part2

「どうしてこうなった……」


 そんな事を野々野国人は思ってた。ちょっと前までは国人と彼女の心は通じ合ってると思ってた。いや、今だって国人はそうだ。別に彼女を裏切った……なんてそんな事は野々野国人的には全くない。やましい事なんてないんだ。なのに……


「その女誰よ!」


 そんなドラマでしか言われないような……そんな修羅場を野々野国人は繰り広げてしまったのだ。


「やっぱり式場に別の女性と行くのはやばかったか……」


 失敗したところはそこだと思ってる国人だ。だってたまたま、たまたま彼女は式場の見学に行けなくて、そんな事を最近知り合ったあの人に愚痴ったら、彼女が「それなら一緒にいってあげよっか?」――と言われたのだ。確かに最初は野々野国人だって――


「いや、それは……」


 ――と断ろうとした。当然だ。その時はやっぱり結婚式場という場に別の女性を連れて行くのはどうか? と国人だって思ったんだ。けど……


「そんな深く考えなくてもいーわよ。私はこの歳でもまだ結婚してないスペシャリストなんだから結婚式に対しての知識は深いわ。役に立つと思うけどなぁ~」


 ――とかなんとか言われたら野々野国人は「確かに」と思ってしまったのだ。今考えるとアホか……と自分を殴ってやりたい国人だが、あの時は一人で式場にいってもな~、という気持ちがあったのだ。どうせ国人一人では何も決められないのだ。それなのに詳細な式場のイメージから彼女が気になる所を聞き逃してはいけないというミッションじみたプレッシャー。そんな気持ちが一人じゃなければ……あわよくば、結婚に詳しくて、式場のスタッフにも変な顔されないような……そんな相手がいないかな~と野々野国人はおもってた。

 そしてそんな相手が……


(いたー! だったんだよな)


 まさに彼女は理想だった。結婚式や結婚に詳しくて、異性だから、一緒に行けば式場のスタッフに変な投げやりにされることもない。それに彼女は理解力が凄かった。国人の彼女がどこにこだわってるのか、それを国人のわずかな言葉でくみ取ったのだ。どうやら見た目だけではなく、本当に彼女は普段は『出来る女』みたいだ。

 そんな出来る女だから、彼女は頼りになった。頼りになりすぎた。一回……じゃすまなかった。気づけば国人は自分の本当の彼女が一緒に行けない……となると出来る女であるあの人を誘ってた。それを今一度客観的に考えてるとふと国人の口から言葉がこぼれた。


「俺って悪い男だな」


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