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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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???話partD7

 大きな流れを小さな力で変える……それは簡単なことじゃない。


「やっぱりリスクを負わないとだめだよな」


 野々野足軽はそういって手を見つめる。それは左腕だ。やっぱりだけど、ただただこの大きく巨大な力を野々野足軽自身の力だけで動かす……というのはとても無理があった。いや、野々野足軽の力がここにたまってる力よりも大きかったら、それかより大きなものを動かせるような力なら……野々野足軽の純粋な力だけでもどうにかなったのかもしれない。

 そもそもが元の狙いが破綻してた。野々野足軽はここにある自分の世界の力……それを利用する気だった。だってそれをやれるのなら、自身の力+自分の世界の力……を行使できるという事になる。そうなると、ちょっとは希望が見えるじゃないか。でもここにたまってる力はもう全く別の『力』として存在してる。そこには野々野足軽の介入を許してないのだ。


 だからあとは野々野足軽は自身の力を使ってこの新たな力を動かさないといけなかった。けど、ここにある力は野々野足軽の力よりもずっと多く強大だ。つまりは足軽の力だけでは無理。それが結論だ。けど……野々野足軽はこれまでいろいろな力に触れて、そしてそれを取り込んで成長してきた。だからこそ、この力もちゃんと「知る」事が出来たら……感じる事が、触れることが出来るなら、わかりあえるかもしれない。

 今、野々野足軽は自身の事を力で守ってる。どんどん削られていってるし、力自体を消費してるから、このままだといずれこの野々野足軽を守る壁も維持することが出来なくなる。そうなると、遅いか……早いか……でしかない。それなら、ちゃんと前を向いて挑もうじゃないか……と野々野足軽は思った。何が起きるかわからないから、僅かに左腕を……いや、左手を……いや、伸ばした人差し指だけ解いてみた。次の瞬間だ。


「あぁぁああああああああああああああああああああああ!?」


 絶叫を上げた野々野足軽。どうしてか? それは力を解いた左手人差し指が一瞬で消えたからだ。


「はっはっはぁ……」


 実はそんなに痛くはなかった。なにせ痛覚を遮断できるからだ。でも指が一瞬で無くなったのがかなり衝撃だったのだ。だから叫んだ。今も野々野足軽の心臓はバクバクとしてる。再び自身の左手を見る野々野足軽。そこにはもう人差し指はない。けど……


「これって、幻痛とかいうやつか? いや、痛覚は遮断してるからただの幻覚? なくなったばっかりだし、脳がまだ人差し指があると思ってるのか?」


 そう、野々野足軽にはまだ左手人差し指の感覚があった。

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