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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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???話PartD5

 野々野足軽は困った。けどそれは結局一瞬だけ。いま大切なのは、ここを出ることではない。この数多の力……それをどうにかこうにかすることだ。そうしないと、あの世界が終わってしまう。あの岩の多頭のヘビ……あれはどんどんと力を増して、そしてその首の数も増えて行ってた。

 このままだとあのヘビの首があの世界を覆い尽くしてしまうだろう。あの世界は野々野足軽の世界じゃない。故郷じゃない。

 ならばどうだって良い?


 「そんなわけないじゃないか」


 既に人ごと……ではいられないと野々野足軽は想ってた。野々野足軽はそれなりの時間を向こうで過ごしてる。そして……知り合った人たちだって、両手では足りないくらいにいるのだ。

 もしもあの世界を見捨てるのならそれは、知り合い全てを見捨てるということ……そんなこと、野々野足軽には出来ない。だからどうにかしないと行けない。沢山の世界の力……それらが合わさって、混ざり合って、全く別の力となってる。けど野々野足軽は思った。


「この力……どこにも……ない」


 ――と。それはその場にない……とかじゃない。そこに確かにこの新たになった力はある。けど……そこに有るだけなんだ。この力には方向性……というのがない。それはそうだろう。だってこれは誰かの意図で紡がれた力じゃない。言う馴れば自然現象? みたいなものだろう。

 地球で宝石が自然とできるように、それと同じようにこの力は自然の偶然の産物で生まれた。だからこの力には――ない――のだ。方向性……そしてこれだけの力が向かう先がない。つまりはこの力はここでずっと溜まってる。蓄えられてるといっていい。


「なら方向性を示せれば、まるで川の流れのように流れ出すかも?」


 それは野々野足軽自身の力にならなくても別にいいのかもしれない。別の方法で『使う』――ということ。けど、その方法は全く持って謎だ。なにせここに溜まってる力は数多の世界の力がまざりあって出来た力だ。数多が集まって出来た別種の力は、全ての世界と相容れてない。

 全ての力が溶け合ってるんだから、全ての力と親和性がある……という方だったらやりようはあっただろう。けど違った。ここの力は全てを反発してる。全く別の力となってしまったことで、ここに繋がってる全ての世界の力と親和性がなくなってるといっていい。

 けど諦める事はできない。だってここに強大な力がある。それにもう脱出は出来ないんだ。ならば、この力を使ってここをでて、岩肌の蛇を討伐するしか選択肢はない


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