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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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???話partD3

 一か八かだった。どんどんと開いてく力の差。このままだと自分自身が負ける……と野々野足軽はわかってた。だからこその一か八かの賭け……いや、勝算はもちろんあった。でも確実ではなかったというだけだ。何回かこっちの世界での旅で野々野足軽は仲間たちと共に界門を閉じてきた。その経験によって、界門によって定められる境界……それを野々野足軽は探ってたのだ。

 そもそもが界門の向こうは単純に野々野足軽の世界と、こっちの世界というか地獄というか? そんな場所にだけ通じてるののか? というと答えはノーだろう。それは早い段階から野々野足軽にはわかってた。

 だって二つの世界だけを界門が結んでるとしたら、このおかしな異形の侵略者たちは何なのか? という事になる。単純に二つの世界だけを界門がつなげてるのなら、行き来できるものも、そして生物もどっちか互いの世界にある物だけにあるはずだ。でも……野々野足軽は界門から出てくるこんな化け物達は向こうの、元の世界では見た事なんて当然ない。


 と、いう事はだ。界門はもっといろんな世界を繋いでると思われる。そうなると界門の中はどうなってるのか? となる。最初の時はそれこそただただ圧倒されるだけだった。いつの間にかこの世界へと来てた。でも、今は野々野足軽はちゃんとした覚悟を持ってる。界門に入ったら問答無用で返らされる……とかも思った事があったが、きっとそんな単純ではない。

 向こう側とそしてこっち側でタイミングを合わせようとしてるのはそのためでもある。きっと界門はいろんな世界とつながってるだろうと野々野足軽は思ってる。でもこの世界に野々野足軽が来て、そして元の世界に鬼が行ったのは偶然じゃない。繋がりがあったからだ。

 きっと他の世界よりもこの世界は元の世界と繋がりが強いんだろうと推測してる。けどだからってただ何もせずに戻れるほどに単純じゃないと思ってるからこそ、同じようなタイミングで界門を開き、そしてもう一度入れ替わろうと思ってるわけだ。そうなるときっと界門のどこかではいろんな世界の力があると思った。

 だからあの岩の蛇にやられるふりをして界門へと潜った。このまま帰ろうとしたんじゃい。野々野足軽は逆転の一手を打つために大きな賭けにでたんだ。そして見つけた。界門で力が交じり合う場所。でもそこはとても荒々しかった。なにせ界門に入ると自然の流れで流されていく感覚がある。それに逆らって野々野足軽は界門の中を泳いだのだ。

 そしてそのいくつもの力の集まりは明るい界門の中での唯一の闇となってた。まるで全ての絵の具の色を混ぜると黒になるような……そんな感じだった。

 でもそこには野々野足軽の世界の力だってある。それに別の世界の力の受け入れ方……というのも学んでた。だから野々野足軽はそこに飛び込んだ。


 そして得たのは……そう、あまたの力の制御の仕方だった。

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