表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
733/871

第四十八話Part5

「親父いいいいいい!! かあちゃあああああああん!!」


 そんな声が青空に響く。少年は既に村の大人たちに取り押さえられてた。けど、それでも、口を思いっきり開けてそう叫ぶ。農家の朝は早いのだ。既に親父も母ちゃんもきっと起きてる……そう思った。自分の家の屋根くらいしか見えない位置だけど、それでもこれだけ叫べばきっと聞こえる……そう信じて少年は叫んだ。


 家にさえ帰らせなければ大丈夫……と思ってたのだろう。けどその読みは外れだ。少年の父ちゃんは息子を見捨てるような大人ではない。


「なにやってる貴様ら?」


 なんとか口を塞ごうとされて、かなり荒々しく扱われてた少年。そんな様子をみて、怒気をはらむ声を出してその場に少年の親父が現れた。


「山が昨夜から騒がしいとおもってたが……貴様ら、俺の息子に何をする!!」


 そんな風に怒りに任せて突っ込んだ。その迫力に気圧されたのか、少年を拘束してた大人たちが離れた。案外あっさり少年を離したわけだが、それは彼らの目的……それは達してるからだ。村の奴らの目的は幾代だ。幾代は既に村の大人たちに確保されてた。


「まあいいですよ。貴方も息子さんの管理はしっかりとなさったほうがいい。いつか、忽然と消えてしまわないように」


 そんな捨て台詞を吐いて、村の奴らはさっていく。用意してた車に幾代を乗せようとしてる。その時、2人の視線が交差する。そして大人しく、幾代は車にのった。そして村へともどっていく。少年をそれを見送るしか出来なかった。


「何やっちょんだお前は!!」


 ゴツンと頭がへこんだような衝撃。親父からの鉄拳制裁である。甘んじて受けよう……と思ってたけど、やられるとやっぱりいたい。少年の目には涙がたまる。けど多くは語らない親父らしく、今回のことはを積極的に聞く気はないらしい。けどこのままでは駄目だ。まだ終わってない。

 これからだ。これからが、正攻法な戦いだ。


「親父、これを見てくれ」


 そう言って少年は薄い服の中から何かを取り出した。それは……それは白かった。そして硬い、まるでカルシウムの塊。そうそれは、人骨の一部、顎の部分の骨だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ