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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四十八話Part2

「にゃがああああああ!!」


 黒い猫が捕まった白猫を助ける為にそんなその喉が潰れるような声を出して、村の子供にとびかかった。まだ二匹は村の中にいた。そして村の内部を混乱に陥れてたのだ。猫たちは何を考えてるのか……


「うわわわ! こいつ怖いぞ!!」

「うわーん!」


 なかなかに混乱は広がってた。どうやらは大人たちは村の外へ行ってるようだ。花月様の新たな命令により、大人たちは外で幾代を連れ戻す役目をおい、子供たちは猫たちを捕まえる役目をおってるみたい。猫たちは子供達でもどうにかなる……という判断だったんだろう。たしかにそれは正しい。普通の猫なら、子供達でもどうにかなっただろう。そう普通の猫なら……自分たちよりも小さな獣だから子供たちは追い詰めてる気だったんだろう。

 実際白い猫の方はそうなってた見たいだ。なにせ白い猫はこの間に結構汚れてた。白い体の所々に汚れと土埃なのか、そんなのがついててなんか斑点みたいになってる。種類が変わってる。それに結構疲れてそう。

 だからこそ、黒猫が前に出た。一番体格がいい、いうなれば太っちょな子供の顔にとびかかった黒猫。顔をひっかくのかと思ったけど、黒猫はそのまん丸い顔に足を置く。四つの足を置いて、そしてその顔を起点に黒猫はさらに上に飛び上がった。その時の勢い……起点にされた太っちょ少年は後方にたたらを踏んだ。そしてそのままドスン――と尻餅をつく。


「こうへい君! うわっうわわわ!」


 こうへい君を起点に飛び上がった黒猫は天上付近に複雑に絡み合ってる木に足をつく。そして勢いよく飛び出した。


「ニャ! ニャ! ニャ! ニャ!」

「うわあ!?」「きゃああ!?」「んべっ!?」「むぎゃ!?」


 黒猫の動きはすごかった。子どもたちを次々に渡っていき、そのたびに蹴りを入れていった。そのせいでその場にいた大半の子どもたちが尻もちをつくことになったのだ。そして――スト――と黒猫は力強く地面にたった。そう日本足で……そして短い前足をお腹の横で構えて、「くはー」と息を吐く。

 それはまるでどこかの武人……のようだった。そして子どもたちは見たんだ。暗い廊下……そんな場所での大暴れ……闇に溶け込むような黒猫なわけだけど、その目は爛々と光り、そしてそれだけじゃなかった。

 その額……頭の所もなにか二本の突起物が淡い光を放ってた。


「妖怪?」

 

 子供の誰かがそんな事を呟いた。

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