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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十六話part6

「これをこうして、こうやって……」


 地獄の門に戻ってきた鬼たちはさっそく二人で妖怪を門へと迎え入れるための準備に取り掛かった。だってこのまま開いたら門から出てくる奴と、こっち側からは入ろうとする奴、それらがぶつかってしまう。だから地獄の門をどうやってかわからないが一方通行にするらしい。


「でも、それをやったらお兄ちゃんも戻ってこれなくないですか?」


 この門の向こうの世界、鬼男や鬼女たちの世界へと行ってしまった野々野足軽。でも彼も既に小頭達と同じように門の向こうで帰る準備を整えてるらしい。そんな足軽な訳だが、小頭が心配するのは一方通行にすることによって、足軽も戻ってこれなくなるんじゃないかってことだ。それに更に思う事がでてきた。


「門は繋がってるんだよね? なら、こっちから大量に妖怪を送ったら同じように門の前にいるお兄ちゃんは大丈夫なのかな?」


 それである。だって同じように門の前で何か準備をしてるとなると、いきなり妖怪たちが出戻りしてきたらびっくりするかもしれない……と小頭は思った。


「そもそもがこの門の向こうからはずっと妖怪が出てたのよね? それってこの門のある場所、安全なの?」


 幾代がそんな風にいってきた。確かに考えて見れば、そこから……かもしれない。だって門からかなりの時間をかけてずっと妖怪が出てきてた……という事は、そこら中に妖怪が跋扈してないとなりえないことじゃないだろうか? そんな場所に向こうの世界のこの門はあるのか……とそれを幾代は言ってるんだろう。妖怪が跋扈してる場所に門があるのなら、それこそ足軽達は今の小頭達のように、余裕をもってこの場にいる……と言うわけじゃないのかも。今もなお、妖怪たちと戦ってる最中とかありえる。


 色々と動き回って何やら地面に刺していってる鬼女は忙しそうだ。それに対して鬼男はいつものように直立不動の態勢をとってる。いや、小頭達にはただ突っ立ってるようにしか見えないが……とにかく鬼男はその場にいるんだから自然と小頭と幾代の視線は鬼男へとあつまった。二人の不安そうなまなざしが鬼男へと注がれる。けど、鬼男は動じない。微動だにしない。でもただ一言、これだけいった。


「わからない。俺にも」


 ――と。わからない? それの意味を小頭も幾代も考える。

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