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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十六話part1

 そうやって何とか芋虫妖怪も柱にできた。これによってかなり広範囲、少なくともこの街の範囲くらいは行けるだろう。もしかしたらこの街の外に行ってる妖怪もいるかもしれないが、でも結構妖怪たちはそこらへんにいる。あまり遠出はしないみたいだ。それにそもそもが強い妖怪が遠くにいくイメージがあった。でもそんな強力な奴らは既に柱になってる。地獄の門からでて一目散に遠くを目指す……というのはしてないみたいだ。強力な妖怪たちも。

 なので徒歩移動くらいしか出来なさそうな雑魚い妖怪たちはなおさらそこらにいるだろうと考えられた。


「大丈夫おばあちゃん?」


 幾代は一番力を消耗してるはずだ。だって強力な妖怪たちを止めて、柱とした。そして命令をしないといけない。これからが、その最後の部分をやることになる。それもやっぱり幾代の力に頼ることになる。力……と技術。幾代の中にある呪術師としての知識は大いに役に立ってる。でもだからこそ、それを扱えるのが幾代しかいないから、彼女には負担が大きく偏ってるといえる。小頭は自分でも何かできれば……と思うが、その方法なんてない。そもそもが幾代がそれを許さないだろう。

 幾代にとって小頭は目の中に入れても痛くない程に溺愛してる孫である。孫のくくりとしては足軽だってそうだが、やっぱり男の子と女の子では対応が違ってしまうものだ。愛情の深さが違うわけじゃない。孫としてどちらだって幾代にとっては大切だ。でも男の子の方がより雑に? というか適当に扱えるのものだろう。それに対して女の子となると花よ蝶よと対応されるものだ。だからいくら小頭が苦しみを分かち合おうとしても、それがもしもできたとしても、幾代は絶対にそれを承諾することはない。


「だい……大丈夫。これでようやく四つの柱を作ることが出来たわね。ここからよ。この街にいる妖怪たちに命令を送らないと」


 力の共振、そして振動を起こして、四つの柱を共鳴させることで育代の命令をこの街にいるすべての妖怪へと伝える……そして強い妖怪の命令とあれば、弱い妖怪たちは従う……という見立てだ。実際そうなのはよくわからない。けど鬼男と鬼女が言うからにはそうなのだろうと小頭と幾代は納得してる。だって今更……というかここまできて? 鬼たちが二人をだます必要もない。彼らは自分たちの世界に帰りたいと……そういってるのだ。

 そしてそれが出来るかもしれない可能性がこの方法だ。だからこそ、この行動は鬼たちの願いにも沿ってる事だ。だから最後まできっと協力できる。


 少しだけ、流石に幾代には休憩をとってもらった。十分くらいの休憩だ。空から探した自動販売機でジュースを買ってきた小頭。それを四人で飲んだ。空き缶は鬼男と鬼女が片手で簡単につぶしてた。そしてこれまでできなかった話をちょっとだけした。二人の身の上話とかである。でもその時間はほんの十分くらい。


「やります」


 そういう幾代の決意と共に、この街すべての妖怪たちに伝える命令を発信することにした。

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