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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第三十四話part2

『くけけけけけけけけけけ!!』

「うぅ……」

「小頭ちゃん!」


 早速ピンチに陥ってる。訪れたのはある団地。市営団地というのか、同じような建物に番号が振ってあって、そこに沢山の世帯が住んでるような……そんな場所。そこにとても強力な妖気が漂ってる――と、育代と鬼女がいった。

 なのでそこを目指したわけだけど……いきなり問題が起こったのだ。それは団地に近づいたとき、小頭以外がはじかれてしまった。それはどうやら団地を半円状に囲うような何がかあって、それが鬼達や育代をはじいたのだ。


「え? 何?」


 空飛ぶ自転車に乗ってた小頭だけがその団地の敷地に足を踏み入れてた。振り返って何が起きたのか確認した小頭の耳元で不気味な声が聞こえた。


『くけけけけ、いらっしゃーーーい』


 ゾクリと心臓が握り潰されるかのような恐怖が小頭を襲った。そして次の瞬間、ガシャン――と自転車はアスファルトに落ちてた。そして当の小頭はというと……小学一年生が被るような黄色い帽子をかぶった子供に捕まってた。

 でもそれは……唯の子供な訳がない。だってここは強い妖気が溢れてる。そこに現れた子供? 怪しくないわけない。それに……


「ぐっ……やめ……」


 ギリギリとお腹が圧迫される感覚が小頭にはあった。見た目的には子供は小頭よりも小さい。それなのに、お腹でも二か所くらいが閉められてるように感じる。見た目的には小さいのに流石に中学生である小頭のお腹をそんなに低学年の身長の子が閉められるか? といえばおかしい。


『お姉ちゃんあそぼ。僕とも遊ぼうよ』


 そんな言葉を楽しそうに言う黄色い帽子の子供。そしてまるで持ち上げられるかのように、体を上にやられた。空が広く見えるような恰好だけど、小頭にはそんな事を思ってる場合じゃない。

 むしろ更に苦しくなっていく。


(この子……なんなの?)


 視線を黄色い帽子の子供の方にやると、その腕がニョロニョロと伸びてて更にはその帽子の下の顔、それはまるで影が落ちたように黒くて白い穴のような洞に三日月のような口が開いてた。

 妖怪……なんていう妖怪なのかはわからないが、やばい奴に捕まったと小頭は思った。


「ひゃっ!?」


 いきなりブォン! ――と小頭の体か勢いよく揺れた。何が起こってるのか小頭自身にはわからない。


「やめてえええええええええええええええええええ!!」


 そんな育代の声が響く。それだけは聞こえてた。そして小頭は――「あ、これダメな奴だ」――と地面に向かう中思ってた。


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