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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第二十九話part2

「ご、ごめん。ごめんなさい……」


 うっうっ……と幾代の目から涙がこぼれる。本題に海のおっさんのおかげで入ってくれた。小頭はそっと海から視線を外す。なにせせっかくキレイな海なのに、でっかいハゲ散らかしたおっさんなんてみたくない。それに海の反射よりもおっさんの頭の反射のほうが……いやこれ以上はいうまい。

 日焼け美少女の涙のほうが美しい。きっと全世界がそう思うだろう。


「何が、あったの? 何が起きてるか……わかってるんだよね?」


 その言葉に幾代はコクリと頷く。小頭がどうしてここに来たかちゃんとわかってるんだろう。どこまで影響されてるのか、小頭はよくわかってないが、少なくともこの周囲はおかしくなってる。

 小頭はそう感じてる。スマホを見ても、別に世界自体はおかしくなってるわけじゃない。色んな所で新たな覚醒者が出てたり、変な化け物の話題があったりするが……それにネットのニュースもなんかいつもよりも聞き慣れない言葉が多いが……ネットだしこんなものか……くらいの感覚だ。


「何があったかよね。でもその前に……小頭に私の事を伝えるわ」


 涙を拭って、幾代はそういって小頭を見据える。


「幾代ちゃんのこと?」


 一体なんだろう? と小頭は思う。今更告白すること……そこでハッとする。きっと兄のことだ。兄に恋してしまった……という告白だろう。妹の小頭には関係ないが、幾代的には妹にも認めてもらいたいのかもしれない。


 「私は……実は……」


 そう言って幾代は徐ろに手を合わせて握り込む。そして祈るようにすると、その体が光りだした。


「えっ? え?」


 いきなり光りだす体。それを見たら小頭はもしかして幾代ちゃんって超能力者? と察した。でもここでそれを披露する意味とは? と考える。少し大きくなったような身長、そして次第に光が収まっていく。伏せてた顔を上げると……そこには……


「おばあちゃん?」


 そう、そこには小頭のおばあちゃんの姿があった。あまりにも信じられなくて、小頭は目を揉んで、ゴシゴシして何回もみる。けど、眼の前にいるのは間違いなくおばあちゃんだった。


「えっ? え? どういうことなの? おばあちゃんがお兄ちゃんを好きなの?」

「え? ええ、あなた達の事、好きよ。勿論ね」


 なんか違う、けど違わない返答が返ってきたことで更に小頭は混乱した。


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