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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
61/871

60P

(可愛すぎるだろ……)


 クラクラと頭をしながら野々野足軽はそう思った。そもそもが平賀式部が私服だってだけで、もうめっちゃ可愛いと思ってる野々野足軽だ。そこに小動物が入ったらもう最強だろう。


 美少女と小動物の組み合わせはネットでも大人気だからな。平賀式部はわかっててやってるのか、それとも天然なのか……


「キャンキャン!」


「ふふ、ありがとうって言ってますよ」


「そうだね」


 実際には野々野足軽の頭にはこう聞こえてた。


『交尾交尾!』


 とか言ってた。野々野足軽はこの犬発情期か? とか思ってた。番がいた方がいいのかもしれない。


「飼ってる犬は一匹だけなの?」


「そうね。もっといっぱい飼いたいけどやっぱり大変だし」


「そうだよね」


「野々野君は何か飼ってたりするの?」


「いいや、家は何も飼ってないかな」


 一瞬その平賀式部の質問にアースが思い浮かんだ。だけどこいつは別にペットではないなって思った野々野足軽だ。てか言えるわけない。


(ペットとは失礼ですね。私はそこの存在のように愚かではありませんよ)


(犬に対して愚かって……)


 知能低いからだろうか? とか野々野足軽は思った。それからはシャラクと共に二人と一匹で過ごした。野々野足軽も二人っきりになるよりも良かったと思った。むしろシャラクがいることで、賑やかしになってた。


 シャラクがちょこまかと動いて何かアクションをしてそれを二人でニコニコしながら見てたり、おしゃべりしたりと色々といつの間にか緊張せずにできてた。もちろん所々で野々野足軽は平賀式部に対してドキッとしてた。


 彼女にとっては何気ない仕草でも、そんな仕草に男子高校生というのはドキッとするものだ。髪をかきあげたり、膝の上に乗せたシャラクを優しく撫でてたり……その愛おしそうな視線を羨ましがったりね。


(綺麗だな)


 と純粋に思った。それにロングスカートから覗く踝とかエロいなとか野々野足軽は思ってた。


「えっとそれじゃあ、また学校で」


「ええ、また明日。今日は本当に楽しかったです。ふふ、シャラクも帰ってほしくないようです。なんなら泊まって行きますか?」


「ええ!?」


 玄関でそんなやりとりしてる二人。流石に泊まるなんて−−って思って野々野足軽は慌てるよ。ちょっと想像しただけで、かなりやばいとわかった野々野足軽は顔が真っ赤だ。


 だって泊まるってことはそれこそ今は私服姿の平賀式部だが、寝巻きとか見れるかもしれない。それは一体可愛い系か、それとももしかしたら大人っぽいネグリジェとかかもしれない。


 それにまだお風呂に入ってないから、お風呂に入ってその風呂上がりとか……想像しただけで、かなりの色気を放ってるところを野々野足軽は想像した。


「ふふ、冗談です。流石にまだ準備が足りないし」


「準備?」


「いえ、こっちの話。今日はもう残念だけど、お別れです。野々野君も残念です……か?」


 いや、だからそれはずるいだろうって野々野足軽は思った。これで残念じゃない……なんて言えるわけない。そして本心としても残念とは思ってる。


「残念だよ。女の子の家に行ったのなんて初めてだし」


「そうですか。それならいつでもいらっしゃっていいですよ」


「流石にそれは……」


 できそうにないって野々野足軽は思った。


「シャラクに会いにきてください。野々野君のこと、気に入ったみたいですから」


「はは、そうだね。考えておくよ」


「はい、是非に。それではお気をつけて」


「うん、おやすみ」


 そう言って野々野足軽は平賀式部の家を後にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] めっちゃ面白い。 これからも楽しみにしてます!
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