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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第二十七話part1

「その日も何も変わらない。いつもの日常だった。いつものようにアフィラから襲来し来る敵を頭の元に討伐してた。いや、ひと段落した後だったな。

 俺達鬼に刻まれた印。それの調整をしてた時、新たにゲートが開こうとしてた。だがそれは早すぎた。そんなわけはない。だが、開こうとしてるのは確実だ。ならば鬼である俺たちは迎え撃たないといけない。

 なにせそれが我らの役目。鬼は世界の守護者だからだ。俺たちは自身に刻まれた印からアイアンゼルを取り出し、バッカーデンを纏った。

 だが今回開いた扉からはアフィラが来る事はなく、俺たちは扉の中に吸い込まれた。そして俺は出会った。弱そうな見た目の奴だった。頭があって、腕が二本あって脚が二本あった。姿はとても俺たちに似てた。だが白い肌に食べるところがなさそうな肉しかない体だった。

 だが、その軟弱な体には似つかわしくない程の力が溢れてたな」


 鬼男はそんな風にこちらに来た時の事を語ってる。専門的な? というか、向こうの言葉の固有名詞みたいなのがちょくちょくあって完璧には小頭は鬼男が何をいってるのか……それを理解できてはない。

 だが今、鬼男はきっと野々野足軽の事を言ってるのだろう。それはわかってる。だって頭があって体に腕が二つ、脚が二つとか人間じゃん。

 そしてこれまでの話、鬼男が足軽と入れ替わって存在してるという事実。それを加味すると、きっとそれは兄ではないか? と小頭は思う。


「そいつは言ってた。『悪い。これだけしかできなくて』とな。それで俺に記憶を叩きつけてきた」

「お兄ちゃんがあんた……貴方に記憶を?」


 それを聞くと、小頭は「あれ?」と思う。だって小頭の記憶では兄は別に超能力者ではない。そんなのに目覚めたって話も聞いてない。別に兄に超能力が目覚めようとこれまでと小頭は態度を変えはしないが、でもそれはかなりの重要な事だ。

 だから家族ならきっと話すだろうと思う。でも小頭はしらない。だから今鬼が語ってるその誰か……が本当に兄なのかちょっと疑わしくなる小頭だ。

 けど状況を分析すると兄としか思えない。そういえば……である。


「お兄ちゃんはどうやって扉を開いたの?」


 ポツリとそんな事を呟く。だって普通の男子高校生にそんなのは不可能だ。けど事実として、地獄の門は開いて、この場所には今も尚魑魅魍魎が溢れて来てる。

 この門をそもそも開けたとするなら、足軽は無能力者ではもともとなかった……といえるのではないだろうか? そんな風に小頭は思った。

 目の前の状況が、そして今まさに小頭を抱えてる鬼が物語ってる。野々野足軽は超能力者だと。

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