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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
399/871

397P

(これは……)


 ガスッ――ガスッ――と何かがぶつかる感覚。見えないけど、何かはわかる。これは風だ。圧縮された風をどうやらあのドラゴンは飛ばしてきてる。けどそれは野々野足軽まで届いてない。でもそれは決して軽い攻撃な訳じゃない。下手にドラゴンが上で野々野足軽が下に来ると、野々野足軽に当たらなかった風の刃が地面を穿ってしまう。最初は普通によけたりして、当たらなかった奴はそのままにしてた野々野足軽だが、流石に地面を穿った光景を見ては――これはやばいな――と思った。


 絶対に下に行かないように飛び回る? でもそれも難しかった。なにせ向こうも速い。空を縦横無尽に飛び回って野々野足軽とドラゴンはたたかってる。といっても、基本的にやってくるのは向こうからだ。憎しみやら恨み? というような感情を野々野足軽は感じてた。そしてドラゴンは風の刃もそうだが、その体も使って突っ込んでくる。それだけで凶器になるんだから、ドラゴンとは得な奴だ……と野々野足軽は思った。


「面倒だけど……」


 野々野足軽は風の刃をすべて叩き落すことにする。自分に当たるのもそうだけど、当たらないものまでも……野々野足軽は見えてないが、感じることはできてた。だからドラゴンのすべての攻撃に対処できる。


(このままでもきっと勝てるな)


 そんな風に野々野足軽は思う。何故か……それはあのドラゴンの存在がどんどんと希薄になってるからだ。その体も力を使うたびにほころんでるのがわかる。逆転してるような気がした野々野足軽。だって穴の向こうでは野々野足軽が今のドラゴンの立場だった。けど今は、野々野足軽は新たな力を手にして、まだまだ余裕がある。それに対してドラゴンは焦ってる。怒りが高まり続けてるが、その思いとは裏腹に力は小さくなってる。

 もっと考えたら今の力でも一矢報いる……くらいはきっとできる。油断したら、実際野々野足軽だって危ないだろう。でも……このドラゴンには知性がなさそうだった。恨みだけで動いてる……そんな感じだ。だからこそ、常に攻撃に全力を向けてる。それは潔いが……無謀でしかない。

 怒りで何も見えてない。だからこのまま攻撃をいなし続ければそのうちドラゴンはその力を保てず消えるだろう。だから無理して攻撃をする必要もないかとも思ってたが、でもせっかくの新しい力だ。このまま受け身ではもったいない……とも野々野足軽は思った。


 それに、こんな相手は今後現れるかわからないんだ。

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