表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
381/871

379P

 とりあえずこのままではいずれ力の防御を破られて再び手を奴に嚙みちぎられることになる。それはどうあっても避けたい。なにせあんな痛み一生に一度で十分と野々野足軽は考えてる。好き好んであんな痛みを味わいに行く奴はいないだろう。なにせめっちゃ痛いのだ。それこそ本当に死ぬほどいたい。力がなかったらそれこそ失血死しててもおかしくなんてなかった。腕を再生してさらにドラゴンと相まみえる……それが出来る程に十分な力があるのか……それは野々野足軽だってわかんない。

 なにせこんな経験はないからだ。けどそんなに余裕がないのは感覚的にわかる。それにドラゴンの力はそれこそ風の少女として感じてた時の比じゃないくらいに強まってる。どういうことなんだろうか? と野々野足軽は疑問に思うよ。なにせなんで力が増幅したのか? これが最初に出会った風の少女のままの力ならよかった。けど今、彼女だったドラゴンはその巨体に見合うだけの力へとなってる。


 体に見合ったエネルギーを得た……ということなのだろうか? けどそれなら体が大きな生物は強い力を持ってるということになるだろう。生命力といってもいいかもしれない。でも実際地球で大きな生物……それこそ象やらクジラを見に行ったことがある。この力が発現してからだ。けど野々野足軽の結論的には普通に生きる生き物たちのエネルギーの量にそんなに違いはないというものだった。まあ流石にクジラとネズミとかにはそれなりの量の差はある。

 でもクジラと象にはそんなに差はなかった。だから体に付随してエネルギーが極端に増える……ってのはおかしい。そういう法則はこの世界にはないみたいだ。けど実際、今野々野足軽を襲ってるドラゴンはドラゴンという姿になると、その力を急激に高めてる。それは確かだ。


(心当たりがあるとすれば……絶望……とか?)


 感情……それの一定値を超えてしまったことで風の少女は絶望に覆いつくされてドラゴンへと変質してしまった。つまりはその大きな感情の変化、希望から絶望への反転……その現象が力を高めたのかもしれない。ある意味ではこれも『覚醒』――なのかもしれない。普通覚醒ってのはいい方向で捉える。野々野足軽だってそうだ。けどそれはきっとマンガとかの創作物の影響だろう。


 リアルならこんな風な逆の覚醒があってもおかしくないのかもしれない。まあ普通の生命体なら、絶望の果てにドラゴンへと至る……なんてことはないだろう。けど絶望して復讐の鬼とかになる人はいたりするわけで……風の少女という特殊な存在が絶望したことでさらに特殊な事が起こったことで、ドラゴンへと変貌してしまった。そしてドラゴンへと変貌するほどの絶望はどこからか……それこそ心当たりからそれだけの力を生み出したのかも。


 だからこそ、これまで対峙した何よりもこのドラゴンは強い。強大だ。それこそ、大抵力があればなんとかなる……と思ってた野々野足軽がなんとかならないかも? と思うくらいにはこのドラゴンは強力。けどどうにかしないといけない。


 野々野足軽は別の所に力を集めてる。それは別に攻撃のためってわけじゃない。ただ集めてるだけだ。すると……だ。ドラゴンはそれに反応した。手を噛みちぎろをとしてたけど、それをやめて力を集めた方へと向かっていく。


「やっぱりそうか」


 そういって野々野足軽は少し希望を見出してた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ