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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
371/871

369P

『なんなんだよこれ!?』


 そんな事を叫ぶ野々野足軽。迫ってくるドラゴンになってしまった風の少女。どうして絶望の先にドラゴンという形になるのか? とか色々と疑問はある。なにか理由があるのだろうか? けどそこらへんを考えてる余裕はない……いや、ないわけじゃないが、流石にこんなおかしな事が起こったら野々野足軽だって焦ると言うものだ。


 風の少女が変貌したドラゴンは野々野足軽が予想ししてたような移動をしてこなかったってのもある。なにせ翼があるドラゴンである。まあ普通とはちょっと違う翼だけど……とは野々野足軽だって思ってた。そもそもがドラゴンと遭遇することだって初めてだから、『普通』なんて分かるはずもないんだが……それでも翼があるのなら、それこそ鳥のように羽ばたいたりするものでは? と思うのは間違いではないだろうか。

 けど、このドラゴンは違った。どういうことかというと、その翼のような骨組みに集まってる風を使ったのだ。羽があるのならバサバサと羽ばたけよ!! と野々野足軽は思った。けどそれは現実に毒された固定概念だ。

 そういうのを打ち破ることが『力』を知る上で大切なのだと……野々野足軽自身がずっと学んできたはずなのに、やっぱり固定概念というものはこれまでの人生で培ってきた常識……と言い換えてもいいものだ。

 それを投げ捨てる――というのはそんな簡単なことじゃない。だからこそ翼を持ってるのに想像のように使わなかったこのドラゴンに驚いた。

 いやもしかしたらドラゴンと言う存在は元々がこんな風に飛ぶ存在だったのかもしれない。どういう風に飛んできてたのかというと。それはいうなれば直進である。

 ゼロから一気に百に至りて度肝を行く――といっていい。ロケットスタートとか陸上の競技とかで言うと思う。まあ陸上だけじゃなくレースではそんな言葉使うだろう。

 それに近い。それを物理的に言葉のとおりにやった……みたいな? 普通は羽って広げるものだろう。バサァと翼を持ってる生き物なら、大気を掴むためにその翼を広げたりする。そして風を掴んで飛ぶ……けどこのドラゴンは逆に翼をなるべく身体に畳んだ。そして身体を小さく見せたかとおもった。するとその翼に集まってる風も収束していく。そしてある時、一気に後方に排出された。それによって中々デカい……と思ってたそのドラゴンの身体が超高速で排出された。それは飛ぶではない。発射されたみたいだった。


 そしてここはおかしな空間だから、サイズ感? ってのがかなり曖昧だった。それに今、野々野足軽はその体をこの空間によこしてるわけじゃなく、力を使ってこの空間を『観てる』でしかないのだ。

 だからこそ、サイズ感が分かりづらかった……というのもある。ほら、テレビで見てると芸能人とかかなり大きく見えたりするけど、現実だと「あれ? こんなもんなんだ?」とか思ってリするじゃないか。あれである。

 それに、この空間にはサイズ感を比べるものだってないし、なんなら距離感だってよくわかんない。

 だからそのまま弾丸のように発射されてきたドラゴンの口に――バクン――と野々野足軽は飲み込まれた。

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