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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
352/871

351P

(ただ初心に戻っただけだな)

『大切なことでしょう?』


 確かに……と野々野足軽は思った。初心は大切だ。それを思い出させるためにアースのやつは声を掛けてきたのか? ありがたいが、おせっかいともいうか……とりあえず気合を入れ直した野々野足軽は踊るように空を舞ってる風の子をみる。でも見るだけじゃ駄目だ。

 しっかり見るだけで、その風の動き、制御の仕方……なんかを図れるが、もっと詳細に、それこそ風の子の力の循環。いや世界に漂う風の把握をしないと……


(いや流石に世界の風をすべて把握するなんて今の俺じゃ無理だ。範囲が広すぎる。なんでも抱え過ぎはよくない。出来ることを一つずつ……だ)


 そうだ。初心……と野々野足軽は唱える。なにせ力が発現した時、野々野足軽は自分のしたいことをとりあえず試そうとしてみた。けど当然だけど、ほぼできなかった。もちろんそれは最初で力が本当に微々たるものしかなかったから……というのもあるが、ただのイメージでだけで力任せにやろうとしてたことも大きい。

 でも今はそれなりに力の使い方ってやつをわかってきてる野々野足軽だ。ただ闇雲に力を使ってもいいということはない。まあだからってすべてを理解してるわけでもない。曖昧な部分はたくさんある。なんで病気を治せてるのか? とかよくわかってないからだ。一応骨折とかは繋げればいいからわかりやすい。

 でも病気はそうじゃない。体内で病原菌とかをどうやってるのはなぞなのだ。そこら辺は力が勝手に作用してると考えるしか無い。でもある程度は力の方向性ってやつを示してるし、これは怪我なのか病気なのかって判断はしてる。


 ただ闇雲に身体の調子が悪いという人を治すことと、どこどこが痛むとか、悪いとか言う人の方が直しやすいのは検証済みである。だからこそ、この風の子の行動を無駄にしないためにももっと狭く深くする必要がある。

 全部を理解して力を使う必要性なんてない。ある程度でいい。まあその下限は難しいけど……と野々野足軽は思う。


(風で押すとか、力の放出で移動する方法は考えたんだよな……)


 なにせ自分で推進力を生み出せるのなら、それを考えることは当然だろう。野々野足軽はもちろんそれをやってる。けど、それではやっぱり自由自在……とは行かなかった。なにせ放つ推進力は一方向でしか出せない。無理矢理に色んな方向に出せばそれこそ急旋回ってやつも出来たが、それは曲がってるというか、マガラされてる……というか? だった。

 それにもっというとそんな風に推進力として、風……いや大気を集めて圧出して放つ……となったらそれは飛んでるというよりも――吹っ飛んでる――だった。

 だからそれは野々野足軽的には受け入れられることではなかった。

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