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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
350/871

349P

『えー、じゃあちゃんと見てて』


 そういってきらめく風が踊るように空中を移動しだした。まあけど……


(そもそもがこいつ実態がない風だしな……)


 これが参考になるか? と言われたら、実際なんの参考にもならない。だから野々野足軽はそこはかとなく、虚無の目でみてた。「これをどうしろと?」という目である。

 でも風の子は無邪気なのだ。そして純粋みたいだ。だからこそ、そこには「こんなこともできないの?」とかいう悪意があるわけじゃない。いうなれば「一緒にもっと飛びたいな!」とかいう思いだと野々野足軽は思ってる。

 でもその思いにどうこたえればいいのか? 風を参考にするってことがよくわかんないのだ。だってだ。だって風の子はもとから飛べた存在だ。むしろ、飛べない状態がわかんないだろう。だから野々野足軽の今の状態を理解しろ――と言う方がむりというか? そんな感じだと考える。


 なにせ今も風の子は自由なのだ。自由に飛んでる。それが当たり前に出来るからだ。そして野々野足軽はそれが当たり前に出来ない存在だ。だからそれは全く参考になんてならないって思うわけで……


『さて、それはどうでしょうか?』


 野々野足軽の頭にそんな声が聞こえてきた。それはやっぱりだけどアースだ。でも別にその姿があるわけじゃない。あいつなら、ここにも一瞬で来たり出来るだろうに、なんかでかけてた。まあ出かける……といってもアースは地球そのものだから、外出? と言っていいのかは謎である。

 まあとにかくここにいない筈のアースの言葉が脳に響く。それにすでに状況もわかってるようだ。ありがたい……が怖い奴だ。アースは本当になんでもしってる。「知ってる事だけ……」ではない。知らない事がないのがアースである。

 そんなアースが何かあるということは、その言葉は金言なんだろう。野々野足軽は身構える。


(なんだよそれ?)

『本当に参考になりませんか?』

(だって向こうは風だ。ああいう事があたりまえに出来る。でも人間はそうじゃないんだよ)


 何か役に立つことを言ってくれるかと思ったが、そういえばアースは地球そのもの。人と見てる視点って奴が違う。


『人間にだって出来ますよ』

(はあ?)


 いやいやいや――だ。流石に無理だろ。ただの人に出来るわけないだろと野々野足軽は思う。


『すみません、普通の人には無理ですね。力あるものにだけできます。あれれ? 貴方にはできませんか? 出来るはずですが? 力――ありますよね?』


 なんか煽ってきてるアース。雑なあおりだ。ちょっとイラっとしたが、流石にキレたりはしない野々野足軽だ。それに……やりたいのは満々なのだ。その方法がわかんないんだから、力があるかないかじゃないと思ってる。


(これって知ってるか、知らないかじゃないか? だからさっさと教えろ)


 そう野々野足軽はアースに伝えた。だってこいつは確実にその方法を『知ってる』だろうからだ。

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