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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
346/871

345P

(あんまり危険なことはしないこと。いいな)

『でも……出来そうなら殺しちゃっていいですか?』


 それはあの悪魔の器である女性のことを言ってるわけじゃないよね? 中にいる悪魔のことだよね? ――と思う野々野足軽。そしてそれを言ったのは悪魔っ子ではなく、天使っ子である。

 いつもは悪魔っ子の勢いの後ろでオドオドしてるのに、言うことはなんか過激だ。ある意味で悪魔っ子よりも……


(駄目……)

『……そうですか』

『ちぇっ、まあ主が言うなら仕方ないか。ならいっぱい意地悪してやる!』

『……どうして?』

(うん?)

『どうして駄目なの主様? 主様の邪魔……なんだよね?』


 なんだろう……と野々野足軽は思った。


(なんだろう、圧を感じる。全然そんな顔はしてないのに……)


 そもそもが悪魔っ子も天使っ子も小さい。15センチくらいである。そして見た目は小さな少女なんだから、癒やされはすれ、圧なんて感じるほうが可笑しい。そんなことは野々野足軽だってわかってる。こんな小さな存在に圧? とね。それに野々野足軽はこの子達が言ってる通りに主であり、生みの親といって良い。彼女たちは野々野足軽の力によって支えられてる。だからこそ、消滅させるのだって簡単なんだ。

 ならば、圧をかけるのは天使っ子たちではなくて、寧ろ野々野足軽の方である。普通は。けど野々野足軽はそんなやつじゃないのだ。

 誰かに圧をかけるとか、それこそ自分からはしたこと無いような、日和者であって、平和主義者だ。確かに最近は色々とやってるし、危ないことにも首を突っ込んだりもしてるが、それが出来るのも全ては『力』があるからだ。

 それがなかったら肩がぶつ方だけで「すみません」ってヘコヘコするだろう。


(それは簡単なことだよ。悪魔に憑かれてるあの女性がどうなるかわかんないからだ。なにせあれは大本の悪魔だからね)

『大きな存在がその体から消えたらどうなるのかわからないからって事ですね?』

(そういう事)

『そんな事主には関係ないだろ!』

『主様は優しいのです。わかりました。悪は正しく成敗しないといけません』


 なんとか納得してくれたらしい天使っ子に野々野足軽はホッとした。そして二人を送り出す。ふわふわと飛んで行かせるわけじゃない。なにせこの子達には実態がないのだ。いうなればエネルギー体だ。

 なら瞬間移動とか――出来るのでは? と野々野足軽は思った。実は瞬間移動なんて男の子の夢だからなんとか実現しようと頑張ってはいる。

 でも今のところ実現にはいたってない。けどこの二人なら……と野々野足軽は思った。野々野足軽は天使っ子と悪魔っ子を自身の力で包んでそして意識を集中する。

 そして遠視で目的地……つまりは仮面の男と悪魔に宿られた美女の場所を見据えて、そこにも力を送った。ある程度の力を送って、その道を意識する。目を開けると、渦巻く光がそこにある。


『行ってくるぜ主!』

『言ってきます主様』


 そう言って二人はわかってたようにその渦へと飛び込んだ。

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