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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
342/871

341P

『けっ、おい、あれ見てみろ。ぶっさいくな顔してるぞ。きっとあいつはもうすぐ死にそうだし、主に命を加算させようぜ』

『駄目です! そんなのは駄目ですよ! そんな事をしたって主様は喜びません!』


 2つの別々のタイプの声が聞こえる。一つは勝ち気な声で、もう一方はおしとやかな声である。そして野々野足軽の目にはその姿も映ってた。

 一人は赤い髪に赤い瞳、そして牙が特徴的で、小さな女の子の姿をしてて、その背中にはコウモリの羽にお尻に尖った尻尾がある。

 服装は肌面積が多めで、黒い布を胸に巻いてて、腰の方はホットパンツといっていいのか、そんなのだ。まあ世間一般的に小悪魔……とか言われる少女を想像したような……そんな見た目。


 おしとやかな声をした方の子は綺羅びやかな金髪な長髪で、身体をほとんど覆う真っ白いワンピースの服をきてる。首元に大きな真っ赤なリボンをつけてて、その背には白い羽がパタパタしてる。そして最大の特徴はその頭の上に浮いてる輪っかだろう。彼女たちは正しく天使と悪魔……な感じだ。


 人が葛藤をする時にでてくる善の天使と悪の悪魔って感じ。けどそれって普通は想像でしか無い。こんな風に具現化してないだろう。まあ具現化……と言っても、その姿も声も野々野足軽にしか見えてない。

 けど確実に二人はいる。いつだって野々野足軽の頭にいるのだ。そこからでて視界に入ったり、驚いたり寝る時はニュルッと頭に避難してくる。

 そんな存在がこの『天使と悪魔』だった。何故にこんなことになったかの……野々野足軽は頭を抱える。


『あっ、あいつ今、ゴミを捨てやがったぞ。これはちょっとこらしめないとな!』

『あ、あの人、そのゴミを拾って持ち帰るようですよ。きっとゴミが地球を汚してるのが許せなかったんですね。素晴らしいです。祝福を与えましょう』


 そんな事をいって二人はその人達の所に飛んでいって、悪魔は黒い力を浴びせて、天使は祈りのポーズで光を与えてる。まあ勿論だけど、それに気づくことはない。でも今日一日ゴミを捨てた人にはきっと不幸が続くだろう。そして天使の祝福を受けた人には幸運が続く。


 勿論どっちもそんな大きなことはおきない。不幸だといっても、なんにもない所で躓いたり、小指を打ち付けたり……不注意のせいでやっちゃったな……という感じの不幸が続くくらいだ。それか物を置き忘れたり? そのくらい。


 天使の祝福も百円を拾ったり、一日身体の調子が良かったり、ひょんな出会いがあったり……そんなのだ。


(もっと大人しくしておいてくれ二人共)

『ごめーん主』

『ごめんなさい主様』


 二人はそう言って謝った。そしてそれぞれ野々野足軽の肩にこしかける。そんな姿をみて、野々野足軽はどうしてこうなった? また思った。

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