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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
331/871

330P

「悪魔? 悪魔って悪魔? 聖書とかに出てくる? そんな……」


 バカな――という言葉を野々野足軽は飲み込んだ。なぜか? それは野々野足軽には一番【あり得ない】という力を持ってるからだ。

 『力』があるのなら、悪魔がいても可笑しくなんて無いのでは? と思った。というか、そもそもがアースという存在は何だ? それに精霊的な存在だっていたわけで、その親玉がアースだ。

 そういう曖昧な存在とはたしかにここにいると野々野足軽は知ってる。なら……だ。なら『悪魔』とかもしかたら『妖怪』とか言ってもいい。そういう存在がいても可笑しくなんて無い。

 けどああいう存在がいるのなら野々野足軽は思ってたことが実はある。そういう存在が描写される作品と言うのは多い。だからこそ思うんだ。


「いや、たしかにそんなのがいるとして……なんでそんな曖昧な存在にこの世界は支配されてないんだ?」


 ――である。だって人には見えず、人にはどうしようもないそんな存在がいたら、とっくにこの世界は崩壊してないとおかしい。そうじゃないのなら、やっぱりそういう『組織』とかいるのだろうか? 


『組織は知りません。けどそういうのがいるのは確かですよ。けどそうですね。彼らはこの世界の支配者にはなってない。それもまた事実。

 存在すら気取られない悪の存在……それが世界に蔓延してないのはおかしいと思うのは間違ってありません』


 アースもその考えには理解をしてしてる。なにせ、おかしいからだろう。本当にそんな存在がいるのなら、人間なんてとっくにソイツらに滅ぼされてておかしくない……それが普通の感覚だ。なにせ人間側から何も出来ないのなら、対抗の術なんて無いんだからそうなるだろう。


『ですがそれは単純な理由ですよ。彼らはそこら中にいるわけじゃない。曖昧な彼らは存在が安定してないのです。だからこれだけの存在になるのも珍しい。

 そういうことですね』

(なるほど……じゃあある意味でそんな存在と出会えたって事は運がいいのか?)

『そうですね。ある意味で悪魔と出会うなんて運がいいとも言えます』


 とてもポジティブにとらえてみた野々野足軽である。でもあんなちょっと存在を感じただけで心がざわざわとしてしまうような、存在が悪魔だとするのなら、絶対に自分には取り憑いてほしくない……と野々野足軽は思った。


『それは大丈夫ですよ。貴方に取り付ける悪魔なんていないでしょう』

(それは俺に力があるからか?)

『そうですね』


 どうやら力があったら悪魔の脅威はないらしい。それは安心だとホッとする野々野足軽。でもそこで疑問が起こる。


(なんで悪魔なんてのに彼女は取り憑かれてるんだ?)


 悪魔とはそこそこレアな存在らしい。そんなのが取り憑いた女性……もしかしたらだけど、野々野足軽の力影響してないとは言えない。

 そうなるとあの美女にも何か悪い事した気になってしまう野々野足軽だ。野々野足軽はそういうやつなのだ。

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