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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
311/871

310P

「うおおおおお!? すげええええええええええええええええええええええええええええええ!! 見てくれえええええ!! 俺を見てくれええええええ!!」


 そんな変態がこの街の駅に現れた。それは褐色で声は若い感じだった。そいつはいきなり変な仮面をつけて現れてその駅にいた一般人にいきなり――


「見てくれ。なあなあなあ! 俺の顔凄いだろ!? 理想の顔になったんだよ!!」


 ――という風に言いふらしてはテンション高く踊る様に動いてたらしい。けどそれに相手にする人はそんなにいなかった。やけに絡まれてる一人の男性がとても迷惑そうにしてただけで、他の周囲の人たちは至って冷静だった。

 それはなぜか? この日本で変な仮面をかぶっておかしな事を叫ぶなんてそんなの日常ではないはずだ。九割がたの日本の場所では、当然だけどそうだろう。

 けど残りの一割、そうこの場所ではそうではなくなっていた。この町には今、沢山の変人が集まってる。オカルト好きもそうだし、草陰草案を頼る人達。そして謎の組織……とか、変な宗教の奴ら……そんな奴らが集まってきてて、日に日に治安がやばくなってきている。

 だから変人の一人や二人が現れたとしても、既に「またか」という感じである。でもどうやらその変人は自分が変な事をやってるっていう意識がないらしい。

 さっきから自分がイケメンだという言動を取り続けてる。


「やぁそこのお嬢さん。この僕、どうですか?」

「きゃああああ!?」

「ふっ、シャイな子だな」


 そんな事をいってまた別の女性に声をかけにいくその男。流石に変人に馴れたといっても、声をかけられたら怖いものである。変人は遠くから見てるから笑えるのだ。自分に近づいてきたら全力で逃げる……当然の反応だ。


「お嬢さん」

「きゃあああああああ!?」

「お姉さん綺麗だね。俺の隣には君が似合う」

「何言ってんのよこのヘンタイ!」

「君、俺の事どう思う? ふっ、ふっ、ふううううううう!!」


 最後はなんか雑誌で見るようなポーズをパッパッパっと続けざまにやってどや顔……いや顔は見えないが、多分そんな顔をしてるであろうことが想像できた。いや、彼的には決め顔……か?

 もちろんそんな奴に返ってくる返事なんて辛辣か悲鳴だけ……と思ってた周囲の人達だろうがその女性はどうやら違った。


「素晴らしい人間性です。尊敬に値します」

「そ、そうか!? だよな!!」

「はい」


 そんなこと言って変な仮面の男を持ち上げる女性。その人は黒い服に身を包んで日傘をしてる美人だった。けどその顔には異常なほどのピアスがあいてる。それに人のよさそうな笑顔をしてるのに、彼女がペロッと時々舐める舌は蛇のように分かれてた。

 周囲の人達だっていたいけな女性が変人に絡まれてたら助けただろうが、彼女にも同時に変人の気配を感じてた。だから全力で二人をスルーしてた。


「お待たせ」

「いえ、私も今来たところですよ。よかったです事前に教えてくれたおかげで変人に絡まれずに済みました」

「はは、最近多いからね」


 変人二人の邂逅を他所に野々野足軽と平賀式部もデートの序章が始まろうとしてた。

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