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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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308P

今日は休日、部活とかも何も入ってない野々野足軽には休日というのは、文字通りの休みの日――だった。これまでは。でも最近はそれこそ、いつもでは対処しきれてなかった問題に対処する日――ということで、いつもよりも忙しい日でもあったのだ。


 でも今日は本当の本当に休日。久しぶりに学生としての甘酸っぱい休日を過ごすことになってる。


「よし!」


 一張羅に身を包みそんな風に声を出す野々野足軽。まあ一張羅といってもタキシードとかではもちろんない。いつもよりも気合いを入れた服装ってだけだ。なにせ……だ。なにせ今日は普段から下がりに下がった平賀式部からの好感度を野々野足軽が回復する日なのだ。


 つまりは久しぶりの平賀式部とのデートである。なので休日は顔も洗わずに過ごしてしまう野々野足軽だが、今日はすぐに顔を洗って、髪型だって整髪量で整える。一張羅だって、あらかじめ今日の為に新たな服を買っておいたくらいである。


 最近はお小遣い以外の副収入とでもいおうか? そんなのが入ってきて、ちょっとだけ懐具合が暖かったから、このくらいは何の問題もない野々野足軽だ。


 準備も万端にして、家をでる。そして向かうは駅である。今日は色々とデートプランを頑張って考えた野々野足軽だ。なのでまずは定番の待ち合わせ……そこで「ごめんまった?」とか「今来たとこ」とかやろうというわけである。


 そんな事を思ってると、家を出て少し行った先で……


「いえーいばあちゃん。これ地球の……いや、テラのエネルギーが凝縮されたすっげー石なんだ。本当は50万なんだけど、今ならなんと千円! どうよ? すっごいぜ。なんとこれを買ったやつはこんなにも幸福が訪れてるんだぜ」


 そういってふざけた怪しい奴がお婆さんに変な石を売り込もうとしてた。頭が痛くなってくる野々野足軽である。こういう奴、本当に増えた。なにせ世界に『力』が認知されてしまったのだ。


 だから今まであった幸運の壺商法というか、それらが爆発的に増えてる。それにそれに、本当にそんな力があるものだから、まさかこれにも……的な認知が走るのかもしれない。


「ううーんそうねー」


 ――と人のよさそうなお婆さんはいってる。相手はなんかタブレットでこれを買った人の声をとどけてるらしい。絶対にサクラだろあれ。でも相手をしてる暇もない野々野足軽だ。だからって、目の前でサギられるお婆さんを見過ごせる程に、野々野足軽は冷酷ではない。


 なので、一瞬手のひらを振って、その映像を操作した。するとタブレットから――


「これは詐欺ですよ。幸運なんてきません。買ってはダメダメです」


 ――という音声が流れて来た。それをみて「あらあら詐欺なのねー」というお婆さんは見事詐欺から身を守ることができたのだ。


 でもここ最近、ここういう輩がめっちゃ多い。早速だが、無事に時間までに待ち合わせ場所にたどり着けるのか、不安になる野々野足軽だった。

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