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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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297P

「えっと……草案が助けてくれたんだよね? ありがとう」


「そんなの当然だし! それに……私もごめん。私が嫌な事言ったからこうなったわけだし……ごめんね小頭ちゃん! 私、親友だって思ってるし、本当に本当に感謝してるんだよ! 小頭ちゃんしか私の話聞いてくれなかったし!!」


 そんな風に言って草陰草案は野々野小頭に謝ってる。それに対して野々野小頭は「本当にね。感謝しなさい」とか言って冗談めかして返してあげてた。


「うん、感謝する」


「それにしても病院って……どうやって? 刺されたのに、私傷とかないのに……ここって個室ですよね? 入院だってどうしたんです? そもそも家族とかには?」


 いろいろと落ち着いてきたら疑問がわいてくる野々野小頭である。それはそうだろう。ここはそこそこ……というか結構広い病院の個室だ。それこそここは野々野小頭の自身の部屋よりも全然広い部屋だ。ちょっとしたホテルスイートルームのようにも見えてしまう。


 隣にある機器とか病院的な感じをわからせてくるが、ちょっと目を向けると、座り心地よさそうなソファーにおしゃれなテーブル。さらにはラグとかしかれてるし、大きなテレビが壁に埋まってる。さらには間接照明とか観葉植物とかも見える。


 かなり特別な場所……というのが周囲を見回したときの野々野小頭の印象だった。


「ああ、いろいろと混乱してるだろうからちゃんと説明するよ」


 そういったのはアンゴラ氏だ。一番彼が年上だろうからだろう。ここまでの過程を説明してくれる。


 まずはどうやら刺されてから、あの女は更に野々野小頭を刺し続けてたらしい。しかも変な奇声をはっしてだ。


 でもだからこそ、家の中にいた皆は気づいた。まあそもそもが言い争ってたのを心配してくれたアンゴラ氏が玄関の方に足を向けたことで、異変に気付いたみたいだ。


 扉をあけると、狂気を孕んだ女と血まみれの野々野小頭の姿。思わずそこでアンゴラ氏は力を使ったらしい。なにせ相手はナイフを持ってる。近寄るのは危険だ。もちろんその時のアンゴラ氏はそんな考えに至ったわけじゃない。冷静ではなかった。なにせ、かなりの量の出血が野々野小頭にはあった。


 だから一気に頭が真っ白になって「うあああああああああああああああああ!!」と叫んで持ってた呪印入りの石を投げて手をかざしてた。すると一気にその女は弾き飛ばされたらしい。そしてこの家の門へとぶつかった。そこで女は気絶した。


 そのあとはアンゴラ氏の叫びを聞いて中から草陰草案たち全員がやってきて、この惨状を目の当たりにした。すぐに警察と救急車に連絡を――と当然のごとくなる。けどそこで草陰草案の力をもってして直しだしたらしい。血がたまってる野々野小頭の傍に膝をついて、黄色い石を両手で包んで祈りだす。


 するとまるで血が逆再生していくかの様に体内に戻っていって傷口を直したらしい。それはいい。それで野々野小頭の一命は救われた。けど問題はそれからだった。流石に傷口はきれいさっぱりになくなったといっても実際大丈夫なのかは素人の彼らには判断できない。それに人を刺した奴を放っておくなんてできない。


 でも、傷は既になくなって、被害者が消えた状態。今から訴えても……いや一応あの家には防犯カメラがあった。映像は残ってる。でも今度はその被害者である野々野小頭の傷の事をどうするか? ってことになる。


 これは公表したら大事件だ。いきなり見知らぬ女に女子中学生がめった刺しにされる……それはちょっとしたニュースになるくらいはするだろう。


 さらにその女子中学生が変な力で完全回復してます? 映像もあるし、なんならそれをやった本人だっています――もう世間がフィーバーしそうな情報過多。


 どうしたものかということだったが、とりあえずみんなは野々野小頭の事を心配して色々なつてを頼ってなるべく事情を説明せずに伝手を頼ってこの病室に転がり込んでるらしかった。

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