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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
280/871

279P

瓦礫が積み上がった場所を大人達がとりあえず周囲を見回しして、ちょっと手で感触をたしかめてみたりしてる。実際この中にいると分かれば……と大人達は思ってるだろう。だから後ろの方から野々野小頭に声をかけてもらってるが、返事はない。


「どうだ?」


「なんとか……どうにか?」


「でも下手に動かしたら……崩れたり……」


「そうなったら中の人は……」


 そんな事を大人達は言ってる。確かにいきなり崩れてしまってるわけで、この中に草陰草案がいるとしたら、内部が空洞になってるはずだ。だってそうなってないと、草陰草案が生きてる可能性はない。


 もしも、下手にこの瓦礫を刺激してその空間がグシャ――となってしまったら? その恐怖を彼らは恐れてる。


「その、チャブ氏……さっきの発言はここに草案氏が居ると確信してるってことです?」


 ミカン氏がそんな事をチャブ氏に聞いた。さっき野々野小頭に彼は「生きてる」と言ってた。それがミカン氏は気になったんだろう。それは実際他の皆さんも気になってる。


 もしかしたらただ野々野小頭を落ち着かせるために適当に言った――可能性だってあるからだ。


「ああ、彼女は居る」


 今度は本当に確信めいて、そう告げるチャブ氏。そして次にミカン氏と猩々坊主はアンゴラ氏を見た。彼も頷く。そうなると、きっといるんだろうという空気がながれて、とりあえず上の方から瓦礫をどかしにかかった。


 まずは持ち上げられる程度の瓦礫を大人たちは運ぶ。けど、すぐに問題にぶつかった。二人……いや三人がかりとかでやらないといけない瓦礫とか、それを下手に動かしていいのかっていうね。


 それを動かすと、必ず全体のバランスが崩れるだろう、そんな瓦礫。そうなるとどのくらいの空間がこの瓦礫の中に開いてるのかわかんないのに、下手したらその空間が潰れてしまう可能性がある。


 そうなったら……そうなったら草陰草案は死んでしまう。それを恐れると、なかなかでかい瓦礫をどかす何てことはできない。


(さて、どうしよう)


 ――と野々野足軽は考える。どう助けるのがいいのか……これはなかなかに難しい問題だ――とか思ってると、チャブ氏がなんかダウジングの棒を瓦礫に当ててる。一体何を? と野々野小頭と野々野足軽は思ってる。


 まるで叩いてその音を聞いてるようなチャブ氏。するとこんな指示を出してきた。


「この瓦礫は大丈夫だ」


「よし!」


 大人たちはチャブ氏のその言葉を聞いて三人で瓦礫を持ち上げて横にそれをどかす。そしてチャブ氏がどかす瓦礫を指示して、三人が物理的に瓦礫をどかす……そんな事を繰り返して行く。


 すると瓦礫の中に人の手が出てきた。なんと、チャブ氏はどうやらこの絶妙なバランスの瓦礫を崩すことなく、草陰草案の埋まってる場所までたどり着けたらしい。


(本物?)


 そんな事を思って、野々野足軽はちょっとワクワクしてた。

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