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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
239/871

238P

「これは……」


 そんな風にそうそうちゃんは野々野家の前に来た瞬間にピッキーンと何かを感じたかのようなリアクションを取った。それに対して野々野小頭は不満げに言うよ。


「なにかあるみたいなリアクションやめてよ。普通の家なんだから」


「えへへ、こういうのは雰囲気が大事だからね」


「いやいや、そこらにある一般家屋でしょ。雰囲気なんてないよ」


「でもこういう見た目普通なのに実は家庭崩壊とか……」


「してないから」


 野々野家の家庭は至って良好な関係だった。勝手に想像の中で家庭崩壊されてるのは小頭もいい気分ではなかったらしい。確かに思春期真っ只中の中学3年生である少女である小頭だし、兄や父には反抗的な態度も取ってる。けど自分が『バカ兄貴』とか『ハゲ親父』とかいうのと、他人に言われるのは違うのだ。


 クチの悪い言葉を使ってても、結局のところは小頭は家族が嫌いじゃなかった。だからちょっとそうそうちゃんに家族が悪く言われるとむむってなってしまう。


「ごめんごめん」


 そんな軽く謝りつつ、ガチャリと扉を開く。「ただいまー」と言って中に入る小頭に続いてそうそうちゃんが「お邪魔します」と言って玄関をくぐった。


「おかえりなさい小頭。あらあらお客様?」


「友達」


「草陰 草案です。小頭ちゃんとはクラスメイトなんです」


「そうなの……うん、とっても個性的ね。これからも小頭と仲良くしてやってね」


「もちろんです。彼女興味深いですから」


「興味?」


「ほら、早く部屋に行くよ」


 どうやら小頭は母親とそうそうちゃんが長く話してるのがいやらしい。さっさと2階の自身の部屋に行きたいとのことだ。そんな小頭ちゃんに促されて、そうそうちゃんも靴を脱いで家の中へと上がった。そして母親の前を通って玄関からすぐに続く階段へと足をかける。


「飲み物いる?」


「……ん」


「分かった」


 母親と小頭のそんなやり取りに家族が見えて、そうそうちゃんは小頭に対してニヤニヤとした顔を見せてた。


「その顔やめてよ」


 そんなコトを言いつつ、階段から上がったすぐの扉に手を掛けてガチャリと開ける。その扉には『小頭の部屋』という表紙が掛けられてた。反対側には別に何もかかってはない。


「そっちは?」


「そっちは兄貴の部屋」


「見てみていいかな?」


「なんで?」


「え? 男の子の部屋って興味ない?」


「兄貴の部屋に興味なんてない」


「まあ兄妹だとそうなるのかな」


 そんなコトを言いつつ、なんか自然と向かいの部屋の扉のノブに手をかけるそうそうちゃん。けどそこで襟首を引っ張られた。


「やめなさい」


「あはは、ごめんごめん」


 とりあえず冗談めかして手を離すそうそうちゃん。そして二人が小頭の部屋へと入って扉を閉めたあと、野々野足軽の部屋の扉から透明な人形が出てきた。アースである。それも別に扉を開けて……とかじゃない。扉を幽霊みたいに素通りした感じだ。上半身だけすり抜けた感じで出したアース。


(全く無礼な小娘です)


 そんな事をアースは思ってた。

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