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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
237/871

236P

結論から言うと、回復する分の力を意識するという方法はそこそこ効果はあった。けどそこそこというのがポイントである。野々野足軽は寝る前にこのくらいかな? という回復余剰分を勘定して、それが暴走しないように意識した。すると上手くいくときもあるし、そうでないときもある。なにせ、回復余剰分の力というのはまちまちなのだ。


 そこそこの余剰であるときもあるし、予想よりも大幅に力が上がってる時がある。だから安定してない。でも全く意識化にそれがなかった時と比べればまだましになった気がする。ここ2・3日はなにも起きない時もあるし、起きたら色々と浮いてる状態の時がある。酷いときは、野々野足軽自身も浮いてて、さらに部屋中のものが浮いてた。


 けどその時幸いだったのは――パチリ――ととても目覚めよく目覚めたことだ。もしもこれがウトウトと目覚めてたら、きっと大惨事になってたことだろう。それこそすべての家具が一斉に床に落ちたりしたら家族がびっくりするだろうし、野々野足軽の部屋の床が抜ける可能性だってあった。


 なにせ野々野足軽の部屋は2階である。一斉に部屋にあるものが落ちるなんて普通はないんだから、それが起こったとしてもおかしくなかった。


 だけど幸いなことに、その日は野々野足軽は自分史上一番の寝起きだったと感じてる。寝てる状態から起きてる状態に移行するときにそれこそ人は夢とか見たり、むにゃむにゃとしたり、そんな状態になって、ゆっくりと覚醒していく――というのが普通だし、いつもだろう。


 でもその日は違った。寝てた状態から目を開けたその瞬間から、野々野足軽は起きた状態だった。移行がスムーズすぎて、「寝てたのか?」と思ったほどだ。


 でもおかげで部屋の状況を把握することができた。起きた瞬間に理解した。


(これはやばい)


 ――と。だからすぐに力を使って難を逃れたわけだ。でもそれからはそんな完璧な寝起きになったことはない。でも幸いなことに、あれほどひどい状態になったこともなかった。


 でも野々野足軽はハラハラしてた。もしも、あんなふうに運よく自分史上最高の寝起きができなかったら……そう思うと、寝るまでが怖くなってしまう。


 そうして意識をしてしまうと、寝るのが遅くなっていて、さらにいい寝起きになれない循環。


(もういっそ、寝てる間も力を使い続けるっていうのはどうだ?)


 そんなことを問題解決の為に野々野足軽は提案してみる。なにせ問題は寝てる間に力が回復することで起きる、前日との力の齟齬。それを脳が把握してないから、無意識化で離れてしまった力が野々野足軽の制御を離れて暴走しているということだ。


 なら、極論的に、寝てる間も力を使い続けてその余剰分を作らないようにしたら? と野々野足軽は考えた。実際、成長はしないと困る。それが楽しみで訓練をしてるわけだからだ。


(微力な力を垂れ流し続けて、常に余裕を開けておけば、力が成長してても、脳が把握してない以上にはならないんじゃないか?)


(その垂れ流す力はどうするんですか? 自然に溶けるような量の力じゃないから、問題なんですよ? それに力が伸びてるわけですから、日に日にそのたれ流れる力が多量になります。そしてただ単純にもったいない気もします)


(……確かに)


 アースの言葉にうむむ――とうなりながら野々野足軽は納得した。

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