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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
220/871

219P

十字傷の男はバウアーと暮らすために、生活を切り詰めていた。その為に、どうやらスマホとかも売ってしまってたらしい。一応何台かまだあるらしいが、それは売るための商品であって、SIMは入ってないということだ。ならWI-FIで良いじゃん……と思うだろう。けどもちろんだけど、十字傷の男の家にはそんなたいそうな設備はない。


 もちろん個人的に回線を引くのはできるだろう。けど、そんな金は十字傷の男にはなかった。だから持ってるスマホを使うとしても、無料WI-FIが前提になる。実際SNSとかはそれでも十分といえば十分だ。


 けど、今はリアルタイムの情報が大事。なのに無料WI-FIしか使えないのは致命的だ。確かにここは都会で、田舎よりはそこら中に無料のWI-FIは飛んでる。絶えずにどこかの無料のWI-FIに繋がることができるだろう。


 けど無料なのは理由があるわけで……勝手に無料WI-FIに繋がるようにして、常にそれで通信をしてると、その内勝手に繋がらなくなったりするだろう。普通そういう無料のWI-FIは通信時間が決められてたりするからだ。


 なので使い続けるなんてできない。そういうこともあって、協力者が必要だった。とりあえずバウアーという犬の画像を協力者の男性のスマホに送って、彼経由でSNSに拡散してもらった。


『この犬を探してます! 目撃情報お願いします!』


 って感じだ。実際十字傷の男が捕まえたその男性はここが地元らしく、フォロワーも地元の人が多いだろうから運がよかったといえる。それに動物系は人の庇護欲をくすぐりやすい。なのでそこそこ拡散はされたみたいだ。


 それによって、桶狭間忠国や野々野足軽なんかにも……


 それからはなんとSNS効果なのか、事情をしった人が十字傷の男に協力してくれた。でもそれでも……だ。それでもバウアーは見つからなかった。男女様々、それに年齢層も様々な人が協力してくれた。


 それにこの見た目で初めて優しくされた……経験かもしれなかった。十字傷の男には。だからこそ、誰よりも頑張って町中を走った。人の好意なんてのは簡単になくなるとわかってる。以前の十字傷の男なら、他人の好意なんて利用してなんぼ――なんて考えだった。けど今は違う。誰よりも頑張った。そして打算だけじゃなく、もちろんバウアーの為でもあった。けど見つかることはなかった。そんな中、一番最初に協力してくれた男性のSNSにこんな画像が投稿された。


「あの……これ」


 男性は恐る恐るという感じでその画像を十字傷の男に見せてきた。そしてそれを見た瞬間、十字傷の男の頭はカッと熱くなった。

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