表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
213/871

212P

「お待たせしました」


 目一杯のおしゃれをして、待ち合わせに彼女は現れる。駅前で心持ち注目を集めてた彼……はそんな彼女を見て「全然」とかいってた。


 あれからグイグイと彼女は自分をアピールした。スマホなんて持ってないから地道に足で彼の行動を探って、頻繁に会うようにして自分の印象を積み重ねていった。


 そしてなんとほかの施設の子たちも協力してくれて、このデートへとこぎつけたのだ。再びお姉さんにメイクをしてもらって、近所の人からもらったおさがりの服の中でも似合うものをみんなで吟味して今に至ってる。


 彼女は今日という日にかけていた。


「どう……ですか?」


 スカートの裾をちょっとつまんでヒラリと回転する。メイクを教えてもらって服に興味をもって、そうして自分を鑑みたときに、彼女は自分の所作が女性じゃない……と気づいた。だから一番今日という日に頑張ったのはその言葉遣いと、そして女性らしい所作を身に着けることだ。


 前はガニ股で歩いてたし、椅子に座ってもいつの間にか足を開いてた。それを指摘されてその時は元に戻したとしても、結局は根本的に治ることはなかったんだ。


 それはきっと彼女の意識の問題だったんだろう。別にこれで誰に迷惑をかける訳じゃない……とかの気持ち。そんな気持ちだと自分の癖とかは治らない。けど彼女は恋をして変わった。


 彼に幻滅なんてされたくないし、かわいいといってもらいたい。女性らしくしないと見向きもされないかもしれない。


 そうなると、意識も変わる。彼女は女らしさを研究して今日という日に臨んでる。この動作もその一つ。


 ひらひらとしたスカートは昨今の流行よりも長い程だ。それこそ膝下くらい。でも端っこを摘まむことによって膝小僧が見えて、回転することでふとももまで見える。


 細い脚をたくさんアピールするための動作である。それこそあんまりスカートが短すぎたりするのは下品な感じもあるだろう。そこらへんきちんと考えて彼女は服を選んでた。


 自身も男だったからわかるんだろう。確かに男は出してある脚が好きなのは間違いない。太ももだって大好きだろう。その先のパンツとか見えたらついつい視線が奪われてしまうものだ。


 けどだからってそれを誰もがしてて気持ちいいものか? って考えると違うというね。そんな男心もちゃんと彼女はわかってる。それこそそこらですれ違うくらいの関係性の女性が風によってパンツが見えた……くらいなら、誰しもがラッキーを享受するだろう。


 でももしも知り合いやら、ちょっとは気持ちがある……それか庇護対象とかならどうだろうか? そういう対象ならむしろ見てしまうと罪悪感が生まれたりする。


 だからガードは固く。けどそういう事に疎そうな子が無邪気にやってることに注意なんてできないだろう。見えちゃ悪い気がするけど、見せてくる太ももにはドキドキするという、そういう高等テクニックで彼女は彼の気持ちを揺さぶってる。


 もちろん、その日のデートはとても楽しくて大成功だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ