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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
165/871

164P

「えっと……」


 ざわざわとしだす周囲。女生徒達からは「キャー!」なる声を出してる人もいる始末。野乃野足軽と平賀式部の頭とかには桶狭間忠国が弾け飛ばした制服の残骸が降ってた。


 目の前に上半身裸の大男が目の前にいて、何も声を上げない平賀式部はある意味で肝が座ってる。


「いきなりどうしたんだ!?」


 そう言って野乃野足軽は平賀式部をかばうように、明らかに後方に押すように平賀式部と共に後ろに下がる。それはどう見ても当たり前の反応だ。なにせいきなり筋骨隆々の大男が上半身裸になったのだ。


 しかも上着をその筋肉で押し破っての結果だ。ソレが何を意味するのか……その自慢の筋肉を使って平賀式部に何か暴力を行おうとしてる……と思われるのは当然だろう。一応友人? 関係の野乃野足軽はそこまでとは思ってないかもしれない。


 でも確実に周囲や平賀式部は身の危険を感じてるはずだ。むしろ周囲の女子よりも目の前の平賀式部が真っ先に悲鳴をあげておかしくなかった。もしかしたらただただ絶句してるだけのなのかもしれないが、周囲の女子とは違ってただ見上げてくるその視線を感じて、桶狭間忠国は思ってた。


(その目……わかるぞ。そうだよな。僕のこの肉体美に見惚れてるんだね。流石だよ平賀さん)


 とかなんとか思って恍惚な感じになってた。それが更に周囲に気持ち悪さを伝えてるわけだが……それに桶狭間忠国は気づいてない。


「野乃野君……この人……本当に友達?」


「それは……」


 野乃野足軽は言いよどむ。なにせ自分の彼女にこれ――が友達と言っていいのか? という野乃野足軽の葛藤が現れてるからだ。自分の彼女の前で、制服を弾け飛ばして上半身を晒すような男を「友達」として紹介したい奴がいるだろうか? いやいない!! とこれだけは断言できるだろう。


 それに野乃野足軽は桶狭間忠国が平賀式部を想ってる事をしってるのだ。とうとう我慢の限界がきたか? とこの時点で疑がってもなんの不思議もない。もちろんだが、野乃野足軽では腕力で桶狭間忠国に勝つことは不可能だ。既に完成されてる言っても過言じゃない桶狭間忠国の肉体がそれを物語ってる。


 だがそれでも野乃野足軽がなんとか立ってられるのは後ろに平賀式部がいるから……というのもあるが、野乃野足軽にはその力があるからというのが大きい。いざとなったら直接脳みそに声を叩き込む――それによってどんな相手だって大体昏倒させられる……とわかってるから、まだこうやっていきなり服を弾け飛ばすような筋肉バカを相手にしても落ち着いてられるんだ。


 もしも力がなかったら野乃野足軽は……服が弾け飛んだ瞬間に気絶してたかもしれない。

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